2024年10月30日と31日の2日間、米州開発銀行(IDB)は日本との戦略的パートナーシップを強化することを目的に、影響力のある会議、セミナー、ネットワーキング・イベントを開催しました。これらのイベントは、日本の政府機関、民間セクターのリーダー、学術機関との長期的な協力関係をさらに深めるため、IDBの取り組みを際立たせるものとなりました。以下は、2日間の主なイベントの概要を記します。
JICAとの連携強化
IDB代表団は、国際協力機構(JICA)の副理事長と会談し、中南米・カリブ諸国(LAC)での開発を推進するための協力戦略について議論しました。主な議題には、開発成果の向上や民間セクターによる資金調達イニシアチブの推進などが含まれ、IDBとJICAがLAC地域で最大限の効果を実現するため、戦略的連携を深めていく重要性が強調されました。
JBICおよび財務省との会談戦略的対話
IDB代表団は、国際協力銀行(JBIC)および財務省の幹部とともに、LAC地域における資金調達および投資戦略について議論を行いました。議題には、共同融資の枠組みやリスク分担モデル、優先的な開発分野が含まれ、日本がIDBとの協力事業を通じて、地域全体の持続可能な成長とレジリエンスの促進に果たす役割が強調されました。
東京で投資セミナーを開催
10月30日、IDBとIDBインベストは東京の富国生命ビルで投資セミナーを開催し、中南米・カリブ諸国の開発に関心を寄せる60名以上の参加者が集まりました。セミナーでは、IDBインベストのジェームス・P・スクリべンCEOが持続可能な成長に向けた同機関の戦略を紹介し、ミゲル・コロナド・アンデス地域担当部長が地域の優先課題について説明しました。また、IDBラボのラウラ・ベレス最高財務責任者(CFO)は、ラボがイノベーションと社会的影響に焦点を当てていることを強調しました。イベントの締めくくりとして最後には質疑応答が行われ、共同融資、デジタル・イノベーション、日本の企業や投資家との連携強化に関する議論が活発に交わされました。更に、経団連及び日本政府の海外ビジネス投資支援室(GBIS)のアレンジにより、日本企業との面談を行いました。
IDBインベスト投資セミナー
右からミゲル・コロナド・アンデス地域担当部長、IDBインベストCEO ジェームス・P・スクリべン
早稲田大学・東京大学でアカデミック・アウトリーチを実施
10月31日、IDB代表団は早稲田大学と東京大学でキャリア・セミナーを開催し、開発金融に関心を持つ学生を刺激を与えるとともに、IDBでのキャリアの機会を紹介しました。セミナーでは、IDB総裁室チーフのアンドレ・ソアレス氏が登壇し、LAC地域の持続可能かつ包摂的な成長へのコミットメントを強調するとともに、地域の課題解決に貢献するキャリアを目指す学生たちを激励しました。
早稲田大学でのキャリアセミナーの様子
IDBについて
米州開発銀行(IDB)は、ラテンアメリカおよびカリブ海地域の人々の生活向上に貢献しています。1959年に設立されたIDBは、この地域の公共セクターと協力し、持続可能で包括的な開発のためのインパクトのある革新的なソリューションを設計し、実現するために活動しています。融資、技術的専門知識、知識を活用し、26カ国の成長と福祉を促進しています。ウェブサイトはこちら
Garcia,Geraldine
米州開発銀行
米州開発銀行は、中南米・カリブ海諸国(LAC)に対する開発資金の主要な供給源です。人々の生活向上に貢献できるように、
IDBインベスト
民間部門を支援し、事業成長を促進する投資ソリューションを提供しています。
米州開発銀行と日本の取り組み
日本は1976年に初の非地域加盟国となりました。それ以来、日本は資金面と人的資源の両面で貢献し続けています。