東京―イラン・ゴールドファイン米州開発銀行(IDB)総裁は、3日間の東京訪問を成功裡に終え、中南米・カリブ(LAC)地域の主要な開発パートナーである日本との関係を深めました。この訪問中、ゴールドファイン総裁は、鍵となる新たな合意を形成しIDBの今後に向けた支援を得るため、財務省や外務省の高官と面会するとともに、”BID for Americas“イニシアティブの観点から民間セクター幹部とも面会しました。また、ゴールドファイン総裁は、日本におけるIDBの長年のパートナーであり、IDB本部におけるインターンプログラムの後援者である上智大学において学生向けの講義を行いました。
ゴールドファイン総裁は、国際協力機構(JICA)やNECとの間の新たな協力関係に関する文書に署名するとともに、新たな組織戦略、IDB Labの資金強化のための提案と、IDB インベストの新たなビジネスモデル及び増資提案を含むIDBグループが新たに進むべき道筋に対する支援を得ました。
イラン・ゴールドファインIDB総裁は、以下の通り述べました。「IDB総裁として初めて日本を訪ずれることを誇りに思います。1976年に初の域外国メンバーの1つとして加盟して以来、日本は、LAC地域の持続可能な開発を促進する上で重要な役割を果たしてきました。我々が署名した新たな合意やIDBグループの改革に関する現在進行中のイニシアティブに対する当局の支持は、日本とIDBグループの間の強い絆やLAC地域の人々の生活の向上に向けた日本のコミットメントを示す証です。」
IDBとJICAの間で締結された新たな協力枠組み(MOC)は、中南米・カリブ地域の経済回復及び社会的包摂(Cooperation for Economic Recovery and Social Inclusion)(CORE)枠組みの元、実施されている協調融資枠の10億ドルの増加への道を開きました。COREは2011年に合意され、質の高いインフラ整備、災害リスク対策、ユニーバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)及び気候変動対策に関するプロジェクトを支援しています。今回の新たな合意により、COREによる資金供給は40億ドルに達することとなり、その期限は2028年12月末に延長されました.
また、IDBは、IT及びネットワークテクノロジーに特化した多国籍企業であるNECとの間で新たな協力合意に署名しました。この合意は、デジタルインフラ及び、極めて重要な技術である人工知能(AI)を含む技術利用に関して、カンファレンスやワークショップを通じたナレッジプログラムを形成することに焦点を当てています。 更に、このパートナーシップには、研修、キャパシティビルディング、履修コースや教材開発、概念実証やパイロットプログラムでの協働、LAC地域における潜在的な協調投融資案件の発掘も含まれています。この合意は、市民の安全や気候変動に対する強靭性モデルやIDB インベスト及びIDB Labとの潜在的な関与といった分野での協働を一層促進するものでもあります。 JICA及びNECとの合意文書の締結に加え、ゴールドファイン総裁は、財務省や外務省の高官等と面会しました。また、同総裁は、日本貿易振興機構(JETRO)、海外投融資情報財団(JOI)、ラテンアメリカ協会(JALAC)、上智大学など、ビジネス界や学界の関係者とも面会しました。JETRO、JOI、ラテンアメリカ協会の後援をいただき、、IDBは、日本企業やその他民間セクターの代表者に向けて“BID for the Americas”プログラムを紹介するためのセミナーを実施しました。このプログラムは、IDB案件の入札への国際企業への参加やLAC地域への投資機会の促進を目指すものです。 ゴールドファイン総裁は、上智大学で講義を行いました。その中で、ゴールドファイン総裁は、LAC地域におけるIDBの役割、優先分野及びビジョンにつき、自身の見識を披露しました。また、ゴールドファイン総裁は、LAC地域の開発目標やIDBにとっての重要な盟友であり支援者である日本とのパートナーシップの重要性を強調しました。加えて、IDBにおけるインターンシップに関する上智大学との合意と、LAC地域のために働くことに関心のある日本若者や学生にIDBが提供するキャリア形成の機会についても強調されました。 (以上)
IDB会長イラン・ゴールドファインと日本の財務大臣鈴木俊一氏。
IDB会長イラン・ゴールドファインと外務副大臣細川康氏。
IDB会長イラン・ゴールドファインとNEC株式会社の代表取締役社長森田高幸氏、新しい契約の署名時。
IDB会長イラン・ゴールドファインとJICAの田中秋彦会長、共同資金調達を増加させるための協力覚書署名時。
IDB会長イラン・ゴールドファインによる上智大学学生への講義。
IDBグループについて
IDBグループは、ラテンアメリカおよびカリブ海地域の発展資金の主要な供給源です。私たちは、公共部門および民間部門のクライアントに対して、金融ソリューションと開発の専門知識を提供することで、生活の改善に貢献しています。グループは、60年以上にわたり政府と協力してきたIDB、民間セクター向けにサービスを提供するIDBインベスト、そしてより包括的な成長を実現するための革新的な方法を試すIDBラボで構成されています。バーチャルツアーをご覧ください。
Garcia,Geraldine
IDB パートナーシップと寄付者
私たちは、政府、民間セクター、財団、学術機関と連携し、リソースの開発、影響力の拡大、専門知識の共有を行っています。共に力を合わせて最大限の影響を目指しましょう。