2025年1月23日、IDB Lab(米州開発銀行グループのイノベーション・ラボ)は、JICA(国際協力機構)と共に、中南米・カリブ地域におけるSDGsへの貢献を目指す日本のスタートアップ企業の発掘・支援を目的として、「オープンイノベーションチャレンジTSUBASA2025」のローンチイベントを東京で開催しました。公募期間は、2025年1月27日(月)~3月31日(月)です。

中南米・カリブ地域では近年、急速にスタートアップ・エコシステムが活性化してきています。当該地域でのスタートアップを取り巻く環境を生かし、日本のスタートアップ企業も当該地域において開発効果が見込めるビジネスに携ることが期待されています。IDB Labは2021 年、JICAと共に、当該地域でSDGs に貢献する革新的なアイデアやビジネスモデルを持つ日本のスタートアップに向けた支援プログラム「TSUBASA(Transformational Start Ups’ Business Acceleration for the SDGs Agenda)」を開始しました。同プログラムを通じて、2021年度に8社・2022年度に11社・2023年度に9社の応募企業を各々採択し、アクセラレーション支援を実施しました。

ローンチイベントでは、JICA 井本理事より開催の挨拶をいただき、B Venture Capitalの中山代表パートナーから中南米・カリブ市場の現状及び今後の見通しについて説明がありました。その後、TSUBASA2025の実施概要が紹介されましたが、その中でTSUBASA2023で採択されたバイオーム社(ガバメントコース)とKoeeru社(ビジネスコース)から、アクセラレーション支援を通じてどのような成果が得られたのか、どのように現地パートナーを見つけられたのか、IDB LabやJICAからどのような助言が得られたかなど、TSUBASA参加の実体験をお話頂きました。

IDB Labの竹内Principal Advisorは、「中南米・カリブ地域における効果的な経済社会開発のため、革新的な日本のソリューション活用への期待は引き続き大きく、貧困・脆弱層の生活改善、気候変動の緩和及び適応の促進、女性参加や多様性確保の促進などに役立つ先進的なソリューションが数多く応募されることを期待しています。」と話しました。
オープンイノベーションチャレンジ 概要
タイトル
オープンイノベーションチャレンジ TSUBASA2025
目的
中南米・カリブ地域の開発課題解決に資する革新的なアイデア、ビジネスモデル、テクノロジーを有する日本のスタートアップ企業の発掘・支援
募集内容
中南米・カリブ地域における特定の開発課題/SDGsに対する革新的なソリューション
募集分野
●Businessコース:
ClimateTech、EdTech、AgTech 、FinTech、GenderTech、 Silver economy等、IDB Labの重点分野における革新的なソリューションを募集
●Governmentコース:下記該当分野における革新的なソリューションを募集
① JICAが実施中・予定の案件との共創:
・パラグアイ × デジタル化の促進(宇宙開発)
(「社会経済開発に向けた宇宙計画管理プロジェクト」(技術協力プロジェクト)との共創)
・エクアドル×環境管理(カカオ利活用)
(「カカオ産業・輸出政策アドバイザー」(専門家派遣)との共創)
② 相手国政府のニーズを起点とした革新的なアプローチの検証:
・チリ×社会福祉(障害者支援)
・ドミニカ共和国/カリブ全域×サルガッサム
・ペルー×防災
・メキシコ×自動車産業DX・GX
・メキシコ×高齢化対策
応募方法
専用サイトから応募
専用サイト: TSUBASA | 中南米・カリブ地域の開発課題解決を、日本のスタートアップと共に (tsubasa-jica.com)
ダイレクトリンク:
https://tsubasa2023.throttle.biz/campaigns/1323/about
スケジュール
公募期間:2025年1月27日(月)~3月31日(月)
選考:2025年4~5月中
(スケジュールは予告なく変更される可能性があります)
IDBについて
米州開発銀行(IDB)は、ラテンアメリカおよびカリブ海地域の人々の生活向上に貢献しています。1959年に設立されたIDBは、この地域の公共セクターと協力し、持続可能で包括的な開発のためのインパクトのある革新的なソリューションを設計し、実現するために活動しています。融資、技術的専門知識、知識を活用し、26カ国の成長と福祉を促進しています。ウェブサイトはこちら
IDBラボと日本
日本は1993年に設立されたIDBラボ(旧・多国間投資基金)の創設メンバーとして、域外加盟国として参加しました。日本はIDBラボの最大の出資国であり、全加盟国の中で33.23%の株式を保有しており、財務面だけなく非財務面でも貢献しています。
米州開発銀行と日本の取り組み
日本は1976年に初の非地域加盟国となりました。それ以来、日本は資金面と人的資源の両面で貢献し続けています。
米州開発銀行
米州開発銀行は、中南米・カリブ海諸国(LAC)に対する開発資金の主要な供給源です。人々の生活向上に貢献できるように、
イノベーションラボ
IDB Lab is the innovation and venture capital arm of the Inter-American Development Bank Group.