米州地域機関-ラテンアメリカ・カリブ海開発銀行(CAF)、ラテンアメリカ・カリブ海経済委員会(ECLAC)、米州開発銀行(IDB)、汎米保健機構(PAHO)-は、G20議長国として大成功を収めたブラジル政府に祝意を表する。 特に、貧困と飢餓、グローバル・ガバナンス、気候変動など、重要な開発問題をめぐり、ブラジルのG20議長国としての合意形成能力を称賛する。 本共同声明を通じて、各機関は、ブラジルのG20議長国としての抱負を、米州全域における公平性と持続可能な開発を推進する具体的な行動に移すことへのコミットメントを再確認する。
背景
ブラジルのG20サミットで、米州から初めてCAF、ECLAC、IDB、PAHOの4つの地域機関が参加し、米州における公平性と持続可能な開発を推進
2024年11月19日
ラテンアメリカ・カリブ海開発銀行(CAF)、ラテンアメリカ・カリブ海経済委員会(ECLAC)、米州開発銀行(IDB)、汎米保健機構(PAHO)の米州地域機関は、G20議長国として大成功を収めたブラジル政府に祝意を表する。特に、貧困と飢餓、グローバル・ガバナンス、気候変動など、重要な開発問題をめぐり、ブラジルのG20議長国としての合意形成能力を称賛する。本共同声明を通じ、各機関は、ブラジルのG20議長国としての抱負を、以下のような形で実現することへのコミットメントを再確認する。
ブラジルは、G20議長国として正式に関与し、世界の開発を形成する上でこの地域が果たすユニークな役割を反映した。ブラジルがG20のリーダーシップを採る間、CAF、ECLAC、IDB、PAHOは、技術的な専門知識、地域的な洞察、そしてそれぞれのマンデートに沿った戦略的なガイダンスを提供した。今年の多国間開発銀行首脳グループ(Group of Heads if MDBs)の議長国を務めた米州開発銀行のリーダーシップの下、MDBs は、共同行動のための 16 の主要な成果物を概説したビューポイント・ノートを発表。G20は、そのうちの14の成果物をMDB改革のためのロードマップに盛り込んだ。ブラジルのテーマである「公正な世界と持続可能な地球の構築」は、米州における包摂的成長、公平性、レジリエンスの促進という我々の共通の使命を反映したものである。
ブラジルの議長国としての重点(ハイライト)である「飢餓と貧困に対抗するグローバル・アライアンス」の発足は、根強い不平等に対処するための協調的で的を絞った投資の緊急性を強調。米州では、この課題は特に喫緊であり、活力あるその経済的潜在力にもかかわらず、根深い不平等が前進を妨げている。(米州の4つの)組織は、持続可能な開発目標を達成するための加盟国の活動を支援しながら、持続可能で公平な成長と地域協力を促進するために協力してゆく。
地域の課題に対する地域間の調整
米州は対照的な地域である。特定の集団の経済的繁栄は、根強い貧困と飢餓とともに存在し、包括的な社会開発と経済成長を制限する体系的かつ多次元的な不平等を世の中に露呈している。このような状況を打破するためには、私たちの専門知識を結集した大胆なセクター横断的な行動により、変化を加速させ、エビデンスに基づくベストプラクティスを拡大することが必要。
飢餓と貧困に対するグローバル・アライアンスの下での組織のコミットメント
協力し、より統合的なアプローチを促進するというコミットメントに加え、各組織は、米州における公平性を促進し、飢餓と貧困と闘うために、以下の行動を通じて、2024年G20プロセスの遺産を引き継ぐ:
ラテンアメリカ・カリブ海開発銀行 - CAF
CAFは、(社会的に)脆弱な人々の生活を改善することにより、貧困と不平等への対応にコミットしている。同銀行は2035年までに220億米ドルを支援に割り当て、インフラを強化し、医療、教育、食糧安全保障などの必要不可欠なサービスへのアクセスを拡大するための資金と技術支援を提供することを目指している。さらにCAFは、主要な社会指標に直接影響を与える社会保護メカニズムを推進してゆく。
CAFは、その使命を推進するため、マラリアなどの疾病に罹患しているアマゾンのコミュニティにおける保健サービスの改善を優先する。CAFはまた、技術支援や研修を通じて、エビデンスに基づく政策立案や制度開発のための各国の能力を強化する。パートナーシップを促進することで、CAFは持続可能な開発目標(SDG3)を推進するための資金と知識を動員することを目指している。CAFはまた、資金配分を最適化し、「飢餓と貧困に反対するグローバル・アライアンス」と連携することにコミットしている。同行は現在、飢餓と貧困との闘いに16億米ドルの資金を投入しており、2023年と2024年には8億6,500万米ドルの資金動員が承認されている。
ラテンアメリカ・カリブ海経済委員会 - ECLAC
飢餓と貧困は包括的な社会開発に逆行し、人々の権利行使や苦しむ人々の幸福に影響を与える。また、経済成長と生産的開発のブレーキとしても機能する。ECLACは、飢餓、貧困、不平等と闘うため、革新的な解決策を開発し、資金を動員し、グッド・プラクティスを共有するための技術支援を実施し、公共政策に関する情報とナレッジの交換を強化するなど、アライアンスの他のメンバーと協力することにコミットする。
米州開発銀行 - IDB
IDBは、飢餓と貧困をなくすためのアライアンス主導の政策と各国主導のプログラムを支援するため、最大250億ドルの資金を提供することにコミットした。IDBはまた、新たに承認済みIDBのプロジェクトの少なくとも50%、及びIDBラボのプロジェクトの60%を、脆弱な人々に直接提供することにコミットした。IDBはまた、国際通貨基金(IMF)から多国間開発銀行へのハイブリッド資金調達メカニズムとして、特別引出権(SDR)の再配分を追求することにより、アライアンスの主要な資金調達部門としての役割を果たすことを目指すこととしている。
更にIDBは、アライアンスの枠組みの下で優先的な政策やプログラムを設計、実施、評価、改善、拡大するために、加盟国に最大2億ドルの技術支援を提供することが可能。
汎米保健機構 - PAHO
飢餓と貧困をなくすことは、すべての人の健康的な生活を確保するために不可欠であり、保健への公平なアクセスは、これらの分野における進展を加速させるために極めて重要である。PAHOは、プライマリーヘルスケアを強化し、疾病撲滅の取り組みを推進し、非伝染性疾患やその他の重要な保健上の課題に取り組むためのサービスへの公平なアクセスを確保する政策を策定するために、他の加盟国と協力することにより、グローバルアライアンスを支援する。更に、PAHOはアライアンス・パートナーと協力し、社会経済的包摂を促進しながら、持続可能な開発目標(SDG3)達成と貧困、飢餓、食糧安全保障の取り組みとの相互関連性を強調し、技術支援、能力開発、研修(トレーニング)、ナレッジの共有を提供する。
IDBについて
米州開発銀行(IDB)は、ラテンアメリカおよびカリブ海地域の人々の生活向上に貢献しています。1959年に設立されたIDBは、この地域の公共セクターと協力し、持続可能で包括的な開発のためのインパクトのある革新的なソリューションを設計し、実現するために活動しています。融資、技術的専門知識、知識を活用し、26カ国の成長と福祉を促進しています。ウェブサイトはこちら