IDBとPAHOによるパンデミックへの備えとケアの継続に関するイニシアティブを日本が強化する
プンタ・カナ(ドミニカ共和国)。米州開発銀行(IDB)と日本政府は、日本政府からの5百万ドルの貢献を通じて、中南米・カリブ(LAC)地域においてデジタル保健サービスを発展させることについて力を合わせることとしました。これは、IDB、汎米保健機構(PAHO)と地域の各国が推進する汎米デジタル保健ハイウェイ構想への最初の貢献となるものです。
汎米デジタル保健ハイウェイ構想は、COVID19の経験を前進させ、パンデミックに対する備えとヘルスケアの継続を進めることに焦点を当てたものです。診療データのデジタル化を通じて保健情報の交換と相互利用を推進し、ワクチン接種歴、アレルギー、過去の診断や処方といった患者の重要な詳細情報について、必要な時に必要な場所でアクセスすることを可能としていきます。これにより、ヘルスケアサービスの質を高め、医療チームは診療履歴を踏まえて十分な情報に基づいて患者の健康に関する決定をすることができるようになり、地域の医療資源の最適化を図ることを可能とします。
また、このデータは、各国政府が国民に対してより良い保健サービスを提供するための政策決定を助けます。さらに、汎米デジタル保健ハイウェイは、健康情報の安全な認証を可能とするWHOのグローバル・デジタル保健認証ネットワークへの各国の加入を支援します。
IDBのイラン・ゴールドファイン総裁は、「汎米デジタル保健ハイウェイは、患者がどこにいても、それが新たな街であろうが、地方であろうが、どこの国であったとしても、質の高いヘルスケアサービスを受けることを可能とする、日本がこの構想の最初の公式なドナーとなったことは、我々にとって信頼できる健康情報の交換により、公衆衛生の増進とケアの継続を可能とすることを意味する」と述べました。
日本財務省の藤井大輔副財務官は、「日本は、IDBに造成した日本信託基金を通じて、インフラ、防災や公衆衛生といった幅広い分野で長年にわたり貢献を続けてきている、今般の貢献もこの信託基金を通じたものであり、この構想を通じて日本はデジタル技術を活用した情報共有の増進により、国境を越えた切れ目の無いデータの流れが実現することを期待しており、それによって、地域における協調といった課題が克服され、より良い開発効果を実現することができるであろう、本案件は、地域の連結性、デジタルイノベーション、公衆衛生といった多様な開発課題を集約した典型的な案件と位置づけられる」と述べました。
デジタルヘルスは、ブラジルが本年の議長国を務めるG20アジェンダにおいて、主要なものと位置づけられています。汎米デジタル保健ハイウェイは、各国の主要課題を統合し加速していくことを、地域レベルで支援するものです。
IDBとPAHOは、20以上の国において、ガバナンスや普遍的な連結性インフラ、サービスや保健とより良い人材の活用といった点を含むデジタル化を促進し、デジタル保健の基盤を整備していくことに取り組んでいきます。2023年にブラジルのサンパウロで開催されたRELACIC4.0という地域会合・統合イベントは最近の例の一つです。
PAHOの代表を務めるジャルバス・バルボサ博士は以下のように述べました。我々が米州における新たなデジタル移行の取り組みを始めるにあたり、PAHOとIDBの協力は国境を越えた運用可能性を確保するために不可欠なものです。これは、全ての人々が必要とするヘルスケアに必要な場所で必要とする時にアクセスすることを保証するものです。そして、保健衛生システムは、効果的な施策を講じるために必要な情報を備えることになります。この構想は、単なる地域的な努力のパートナーシップにとどまらず、全ての人にとってのより健康的な未来を形成する基礎的な要素であります。
追加情報
汎米デジタル保健ハイウェイ構想に関する動画 (英語版)
PAHO代表のジャルバス・バルボサ博士とIDB総裁のイラン・ゴールドファインが、中南米・カリブ地域におけるヘルスケアのあり方について説明します。
IDBグループについて
IDBグループは、ラテンアメリカおよびカリブ海地域の発展資金の主要な供給源です。私たちは、公共部門および民間部門のクライアントに対して、金融ソリューションと開発の専門知識を提供することで、生活の改善に貢献しています。グループは、60年以上にわたり政府と協力してきたIDB、民間セクター向けにサービスを提供するIDBインベスト、そしてより包括的な成長を実現するための革新的な方法を試すIDBラボで構成されています。バーチャルツアーをご覧ください。
PAHOについて
汎米保健機構(PAHO)は、人々の保健と生活の質を向上させるために、米州の国々と取り組みを行っています。国際的な公衆衛生に関する機関として最も歴史のあるものとして、1902年に設立されました。PAHOは米州におけるWHOの地域事務所として機能しており、米州機構の保健に関する専門機関としても位置づけられています。 www.paho.org.
Planes,Maria Soledad
Garcia,Geraldine
こちらからパンアメリカンデジタルヘルスハイウェイ構想に関する動画をご覧ください(英語版)
PAHO代表のジャルバス・バルボサ博士とIDB総裁のイラン・ゴールドファインが、中南米・カリブ地域におけるヘルスケアのあり方について説明します。