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ロジャー・ハミルトン
エクアドル/プエルト・アヨラ発
ダーウィンはガラパゴス諸島で、「競争と対立」による自然淘汰説のヒントを得た。さて、現代のガラパゴス諸島では、自然界の外でも「競争と対立」が起きている。生活の糧を必要とする島の漁師と環境保護を訴える人々の対立だ。例えばロブスターとナマコは漁師に高収入をもたらす。とりわけ漢方薬の材料になるナマコの需要はアジア諸国の経済成長に伴い高まる一方で、ナマコの漁獲が急速に進んだため、現在ではガラパゴス諸島周辺海域のナマコは絶滅の危機に瀕している。海洋生物学者のアレックス・ハーンが行った調査によると、2000年には100平方メートル当たり167匹いたナマコも現在は9匹にまで減っている。こうした数字を根拠に漁獲制限を設けても漁師の理解は得られず、むしろ事態が暴力へと発展してしまうこともある。そこでエクアドル政府は1998年にガラパゴス特別法を制定し、その2年後にはIDBがガラパゴス環境管理プログラムに対し1,040万ドルの融資を承認した。同プログラムは、地元住民の生活水準を高めながら島の自然遺産を保護することを目的とするもので、利害関係者全員が議論を通してコンセンサスを形成する参加型の管理手法を採用する。しかしそんな議論の場でも、教育を受ける機会に恵まれなかった漁師は孤立感を強め、自分たちの意見には耳が傾けられないと感じる。それでも、漁師を含む関係者全員が議論に参加し続けるに十分な共通の益はある。例えば海洋生物保護海域での商業漁獲禁止措置にはガラパゴス諸島の漁師も賛成だ。数々の問題に直面しながらも、全員参加による管理は着実に成果を生み出している。
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