INDES ワークショップ「開発の有効性と結果主義的マネージメント」
4月16日から3日間、米州社会開発研究所(INDES)は「開発の有効性と結果主義的マネージメント」に関するワークショップをアジア事務所にて開催しました。

今回のワークショップには、アジア、ラテンアメリカおよびカリブ海地域、アジア開発銀行(ADB)、国際協力銀行(JBIC)、国際協力機構(JICA)、およびIDBから、テーマに造詣の深い政策立案者、開発専門家、学者などが多数参加しました。

参加者は、社会的および経済的環境を改善するため、また、政府と公共部門の効率性を向上させるために各国で実施された戦略、その評価および最善の代案に関して意見交換を行いました。その結論は、各国の目標と優先順位を明らかにし、その目標を達成するために必要な政治的判断と運営上の資源の確保に努めるべきというものでした。

今回のワークショップの目的は:(i)開発と公共管理政策に関するアジアとラテンアメリカ地域からの経験の交換、(ii)正しい公共管理戦略と慣行を確立し、社会分野における有効性の高い政策の策定、(iii)開発の有効性を向上させる際に公務員が理解しておくべき概念と技術の確保、(iv)ラテンアメリカおよびカリブ海地域とアジアからの研究者や実務者のネットワーク作りと経験を交換する機会の提供、というものでした。

このワークショップでは、日本、チリ、韓国、マレーシア、メキシコ、モンゴル、ペルー、フィリピン、タイ、およびADB、JBIC、JICAの関係者が参加し、開発の有効性やマネージメントに関する経験などについて議論しました。

また、(i)各国が促進した開発プログラムの定義、その内容と実施能力に関する事例研究、(ii)国の優先課題と計画に基づき行われた公共予算の配分方法、(iii)政府と公共機関による公共事業の効果的実施、(iv)公共事業を行う際に政治家および公務員によって行われた目標達成のためのビジョン、動機づけ、技術および実施手段、(v)プログラムの調節、戦略の的確さおよび実績の監視、また、評価する際の順序、(vi)ここで議論された事例研究に基づき策定された国の戦略、プログラムの評価、および成功と失敗からの教訓、について比較検討されました。

ワークショップでは、4月16日の午後に一般市民を対象とした公開セミナーを開催し、4月17日および18日には専門家による非公開セミナーを開催しました。議論された課題は適切であり、参加者による今回のワークショップの評価も高いものでした。

今回利用されたワークショップの発表資料は、INDES(http://indes.iadb.org)が今後、各国の国民に対するサービスの質を改善する公共管理政策を増強するため、ラテンアメリカとカリブ海地域で社会開発専門家および政策決定者を対象としたトレーニング・プログラムとして利用される見込みです。
INDES ワークショップクローズドセッション
INDES ワークショップオープンセッション
INDES ワークショップクローズドセッション

INDES ワークショップオープンセッション
韓国の中南米進出投資セミナー 財政経済部でのIDB説明会
アジア事務所は、4月18日にソウルにて行われた「韓国の中南米進出投資セミナー」に、韓国中小企業振興公団(SBC)と共催で参加しました。このセミナーはコスタリカ経済産業省事務次官の韓国訪問の機会に開催されました。セミナーではホルヘ・ウッドブリッジ・ゴンザレス次官によりコスタリカの投資誘致政策について、また同省のホセ・アントニオ・ブランコ・オリバレス国家競争力強化局長により同国の輸出入制度と事業環境の説明が行われました。また、鹿戸アジア事務所長からは、IDBの活動と中南米支援事業について、尹事業研究情報担当より米州投資公社(IIC)の活動と中小企業支援に関して説明が行われました。質疑応答ではラテンアメリカの好調なマクロ経済や政治情勢および自由貿易協定交渉に関して議論が行われ、また韓国企業によるラテンアメリカやコスタリカへの直接投資の現状などが話題になりました。

4月19日には、アジア事務所は、韓国財政経済部国際金融局の招きにより、IDBの現状と中南米支援や日本信託基金に関するセミナーを開催しました。セミナーに先立ち、許(Hur)国際金融局長と鹿戸所長との間で、韓国におけるIDBの活動と韓国信託基金の活用などに関して意見交換が行われました。セミナーでは、IDBの概要、中南米諸国との関係、日本の信託基金の概要などについて、説明に基づき討論が行われました。
韓国の中南米進出投資セミナー
韓国の中南米進出投資セミナー
アジア開発銀行京都総会への参加
アジア開発銀行(ADB)は、第40回年次総会を5月6日〜7日に京都にて開催し、IDBから、高橋理事、スチュダート理事(ブラジルおよびスリナム担当)、鹿戸アジア事務所長が、オブザーバーとして参加しました。総会では、アジア諸国の急速な経済発展に応じて、今後のADBの役割などについて、熱心な議論が行われました。また、総会に合わせて開催された、環境問題に関するセミナーにおいては、スチュダート理事がパネリストとして参加し、IDBの活動、ブラジルなどラテンアメリカ諸国の取組みなどについて説明を行いました。IDBとADBとは、これまでもそれぞれの担当地域における経験や知識を共有するため、セミナーの共同開催など様々な協力を行ってきており、今後ともこうした取組みを強化していくことが期待されています。
ADB第40回年次総会
ADB第40回年次総会
左より IDBアジア事務所長 鹿戸、信金中央金庫 中平 理事長、IDB理事室 ステュダード理事、(財)国際通貨研究所 行天 理事長、武蔵野銀行 藤川 顧問、IDB理事室 高橋理事
左より IDBアジア事務所長 鹿戸、信金中央金庫 中平 理事長、IDB理事室 ステュダード理事、(財)国際通貨研究所 行天 理事長、武蔵野銀行 藤川 顧問、IDB理事室 高橋理事
メキシコ経営大学院生のアジア事務所訪問
5月9日、メキシコ・モンテレイ工科大学グアダラハラ・キャンパスの経営大学院生、教授および駐日メキシコ大使館員、合計30名がアジア事務所を訪問しました。

アジア事務所が開催したラウンドテーブルのテーマは、「東アジアとラテンアメリカおよびカリブ海諸国の関係の強化:貿易と協力の役割」でした。主題発表はアジア事務所のメディナ次席および筑波大学APEC研究センターのネアントロ・サベードラ教授により行われました。

メキシコの経営大学院生は、アジアとラテンアメリカ地域との協力関係、特にその経済、ビジネス関係に非常に関心が高く、また中国と日本との間で一層緊密化するメキシコとの関係に特別な関心が示されました。

ラウンドテーブルにより、大学院生はIDBによりアジアで実行されている活動内容の理解が進みました。また、ラテンアメリカとカリブ海地域の加盟国を代表して、アジアとの協力促進に努力することが認識されるなど、有意義なフォーラムになりました。
メキシコ経営大学院生のアジア事務所訪問
メキシコ経営大学院生のアジア事務所訪問
ラテンアメリカ経済・社会開発レポート(IPES)セミナー
米州開発銀行アジア事務所では、毎年テーマを変えてラテンアメリカの経済・社会開発に関わるレポートを発表していますが、2007年は、日本(東京・神戸)および韓国(ソウル)において、セミナーを開催しました。

IPESセミナー:神戸大学
アジア事務所は、5月14日に神戸大学経済経営研究所(RIEB)および国際協力研究科(GSICS)と共同で、IDB経済社会開発レポート(IPES)「負債と共存するラテンアメリカ」をテーマにラウンドテーブルを開催しました。神戸大学経済経営研究所高橋所長の歓迎の辞、鹿戸アジア事務所長の開会挨拶に続いて、メディナ-ロペス同次席がレポートの概要について説明し、その研究内容については、直接執筆などに参加した国連貿易開発会議(UNCTAD)のウゴ・パニッツァ氏から発表がありました。この発表に対して、神戸大学西島教授および名古屋大学新海助教授よりラテンアメリカの国家負債の内容とその経過と状況に関するコメントがありました。後半は、神戸大学後藤教授の進行により、国際金融情報センター桑原中南米研究部長から、公的負債の構造とその管理に対してラテンアメリカとアジアを比較した内容が発表されました。この発表に対して神戸大学浜口伸明助教授とパニッツァ氏からのコメントがありました。今回のラウンドテーブルにはRIEBやGSICSで研究活動を行っている大学院生や各国の留学生、神戸大学の他学部からの関係者も参加し、活発な討議が行われました。

IPESセミナー:神戸大学


IPESセミナー:国際協力銀行(JBIC)
アジア事務所は、5月15日、海外投融資情報財団(JOI)と共同で、IPESの発表会と討論セミナーをJBICの講堂で開催しました。JOIの高橋憲弘事業企画部次長の司会で始まり、アジア事務所の鹿戸所長がセミナー開催の主旨などを説明した後、メディナ-ロペス同次席からIPESなどについての概要説明がなされ、UNCTADのパニッツァ氏より、ラテンアメリカ国家の公的負債の現状と問題点などの指摘や分析発表が行われました。続いて、この発表に対して公開討論が行われ、アジア経済研究所開発研究センター柏原千英研究員および国際通貨基金アジア太平洋地域事務所の李志生次長から、アジア諸国の公的負債問題の現状分析に基づいたコメントがありました。質疑応答では、ラテンアメリカの今後の負債問題の見通しと最近の中南米経済の成長および今後の動向に関して議論が行われました。

IPESセミナー:国際協力銀行(JBIC)


IPESセミナー:韓国商工会議所(KCCI)
アジア事務所は、5月16日、韓国のソウルにて、韓国対外経済政策研究院(KIEP)、国際金融センター(KCIF)、大韓商工会議所(KCCI)、韓-中南米協会と共同で、IPESに関するシンポジウムをKCCIの会議室で開催し、中南米諸国の債務の現状と国際金融市場の動向および今後の政策に対する分析と討論を行いました。シンポジウムの開催に際し、韓国側からはヤン・ジョンキュン国際金融センター副所長、日本側からは鹿戸アジア事務所長がシンポジウム開催の主旨などについて説明し、メディナ-ロペス同次席がIPESの概要を紹介した後、同報告書の詳細はUNCTADのパニッツァ氏が説明しました。この説明に関する討論と質疑応答は、KIEPのキム・ワンホ氏が進行役を務め、最初に同報告書に関する分析発表と討論を、KCIFのオー・チャンソック氏と慶熙大學のクワック・ジャエスン教授が行いました。また、GRULACを代表してホンジュラスのウマーニャ大使による挨拶がありました。今回のシンポジウムには、中南米経済に関心を持つ韓国内の中南米専門家、学者、事業家のほか、学生や一般市民なども参加しました。

IPESセミナー:韓国商工会議所(KCCI)


IPESセミナー:韓国ソウル国立大学
アジア事務所は、5月17日に、韓国のソウル国立大学国際大学院のグローバル研究科会議所にて、同大学院と共同でIPESに関するラウンドテーブルを開催し、中南米諸国の公的負債に関する現状とその影響、および今後の政策に対する分析と討論会を行いました。韓国国際金融学会のパク・ヨンチョル ソウル大学国際大学院招聘教授より歓迎の言葉が述べられ、鹿戸アジア事務所長よりラウンドテーブル開催の主旨について挨拶がありました。メディナ-ロペス同次席のIPES概要説明に続いて、UNCTADのパニッツァ氏より、IPESの内容および詳細について発表が行われました。この発表は、ソウル国立大学国際大学院のリー・キュエウー教授、キム・チョンスップ教授、韓国漢陽大学のパク・テークン教授が討論を行いました。最後に、韓国の外交団長アルフレッド・ウンゴ エルサルバドル大使による挨拶がありました。今回のラウンドテーブルは、国際貿易と金融を専攻しているソウル国立大学国際大学院の大学院生と中南米経済に関心を持つ中南米専門家や学者を対象に開催されました。特に最近の中南米経済の成長と今後の見通しについて議論され、大学院生からはIDBの活動と中南米経済との関係、IDBインターンシップに関する質問などがありました。また、ラテンアメリカとの比較で、韓国の債務危機の経験についても議論されました。

IPESセミナー:韓国ソウル国立大学
都市交通分野の企業関係者のためのビジネスセミナー
アジア事務所は、5月21日、IDB民間部門局 豊田局長の訪日に際して、都市交通分野に関心の高い企業関係者に対して、日本企業の参加機会と最近のラテンアメリカのプロジェクト動向に関するビジネスセミナーを開催しました。席上、民間部門局における民間協調業務とグリーン・エネルギー・プロジェクトの最近の動向および実績などが説明され、ラテンアメリカ地域のプロジェクトに対する各国の戦略の変化やこれに伴う要望の変化について説明がありました。また、2007年度は、さらに多様なプロジェクト案件が計画されており、日本企業の参加が期待されているとの説明がありました。鹿戸アジア事務所長から、ラテンアメリカとカリブ海地域のマクロ経済現状とIDBの活動内容などについて説明が行われました。今回のセミナーでは、主な都市交通関連の製造企業と商社、民間シンクタンクなどから多数の関係者が参加しました。
IDB民間部門 豊田局長によるビジネスセミナー
IDB民間部門 豊田局長によるビジネスセミナー
国際協力銀行、国際協力機構との定期協議会
アジア事務所では、国際協力銀行(JBIC)と毎年定期協議会を開催し、協調融資の可能性などについて協議を行っていますが、本年は、5月22日にJBICにて開催されました。IDBワシントン本部からは、協調融資を担当している地域第2局のへリア局長、中村次長、アヴェンダーノ上級エコノミスト、ビエイラ上級専門官(エネルギー担当)、地域第1局のロルダン上級調整官が来日し、ラテンアメリカ主要国の経済動向、持続可能エネルギーや環境変化への対応、水資源の確保と浄化などについて話し合いを行いました。また、協議には、日本等担当の高橋理事、鹿戸アジア事務所長、メデイナ-ロペス同次席も参加しました。

5月23日には、国際協力機構(JICA)において定期協議が開催され、IDBよりエネルギー・環境問題に関する活動について概況説明を行ったほか、JICAより、中米地域の災害対策などに関するJICAの協力について説明がありました。今後両機関の間で、本部および現地における協力をさらに強化していくことで一致しました。

また、24日には、財務省において、ラテンアメリカ・カリブ海地域への支援方針などについて、意見交換が行われました。
国際協力銀行との定期協議会
国際協力銀行との定期協議会
多数国間投資基金(MIF)ドナルド・テリー局長の訪日および訪中
5月28日〜29日の日程で、ワシントン本部の多数国間投資基金(MIF)のドナルド・テリー局長が日本を訪問しました。今回は、MIFの活動内容、マイクロファイナンスおよび送金関係がメイントピックとなりました。MIFでは、ラテンアメリカ地域でのマイクロファイナンスの拡大、中南米からの在外労働者による本国への送金問題およびその活用と実用化に尽力しており、これに関する国際開発機関(APOおよびUNIDO)と民間企業、外国系銀行と意見交換が活発に行われました。また、このテーマに対する知識、経験の共有を進めることを計画し、今後の協力に関しても討議が行われました。特に、5月28日にはアジア事務所にて早稲田大学阿部教授と共同で、マイクロファイナンスと中南米労働者による海外送金の現状と将来に対する講演会が行われました。この講演会には早稲田大学で国際関係学を学ぶ学生と海外送金に関心の高い外国人留学生が多数参加し、熱気ある質疑が行われました。

またテリー局長は、5月30日から北京を訪問し、中国人民銀行、中国社会科学院などの関係者と会談して、海外労働者の送金やマイクロファイナンスなどの問題に関するMIFの取組みや状況について説明しました。中国側もこうした問題に対する関心を高めており、今後相互に研究成果や情報について、意見交換する場を設けていくことなどで一致しました。テリー局長の訪中には、アジア事務所の鹿戸所長も同行しました。
多数国間投資基金(MIF)ドナルド・テリー局長訪日
多数国間投資基金(MIF)ドナルド・テリー局長訪日
多数国間投資基金(MIF)ドナルド・テリー局長訪中
多数国間投資基金(MIF)ドナルド・テリー局長訪中