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米州開発銀行 沖縄年次総会

第46回米州開発銀行(IDB)・第20回米州投資公社(IIC)年次総会が、2005年4月10日〜12日の日程で沖縄にて開催されました。年次総会は毎年、加盟国内の都市での持ち回りで行われており、日本での年次総会開催は1991年の名古屋に次いで2回目となります。年次総会では、民間企業で例えると株主総会にあたる加盟国代表による総務会において、IDBの業務に関わる重要事項が討議されます。今回の総会では、7,000人近い参加者があり、域外国で行われたものとしては、最大規模となりました。駐日事務所は、準備段階から実施に至るまで、総会を支援しました。

年次総会開会式
年次総会開会式
皇太子殿下の開会式でのスピーチ
皇太子殿下の開会式でのスピーチ

1. IDB主催公式セミナー

総会に先駆け4月6日から10日までIDB主催による公式セミナーが開催されました。

公式セミナーは、7つのテーマに関して開催され、それぞれのテーマにおいてラテンアメリカおよびアジアから著名なスピーカーを招き興味深い発表・討議が行われました。

このうち、送金と移民に関するセミナーでは、IDBグループの多数国間投資基金(MIF)が総会直前に行ったラテンアメリカから日本に来ている労働者の本国への送金に関する調査結果を発表しました。これによると、日本に暮らすラテンアメリカの出稼ぎ移民が昨年、本国の親族らに総額26億6,500万ドルを送金したと推計され、米国に次ぐ第2位の送金額となっていること、2003年の日本のラテンアメリカに対するODA総額約4億6,390万ドルの約5.7倍に当たり、米国でもラテンアメリカへの送金額は320億ドルとODAを上回っており、送金が本国の経済を支える実態が明らかにされました。

その他のセミナーでも、貧困削減のための水資源管理、競争力向上と経済発展を目的とした科学技術の重要性、ミレニアム開発目標達成のためのラテンアメリカとアジアのベストプラクティスの共有、国際化の中でのラテンアメリカとアジアの協力関係、脱ドル化のためのアジアおよびラテンアメリカの経験・戦略の共有、また中央アメリカ・ドミニカ共和国への投資促進を念頭においた当該地域の安定性、優位性等、ラ米地域が直面する様々な問題について、政府、民間、学者といった各ジャンルの専門家による熱心な討議が多くの参加者を交えて行われました。

また、これらのセミナーには、韓国や中国などアジアより大臣クラス、またアジア開発銀行黒田総裁の出席も得て、今次総会がアジアで行われる特色を色濃く反映したものとなりました。この背景には、最近におけるラ米とアジアとの急速な経済的関係の強化と両地域が抱える開発課題を共に学びそれぞれが今後の開発政策の立案、実施にあたっての参考にしていこうとの強い要請がありました。

今回の沖縄における様々な討議、意見交換を通じて、ラテンアメリカとアジアの関係強化が更に進展することが期待されます。

2. 総務会

左からホンデュラス マドゥロ大統領、IDBイグレシアス総裁、谷垣財務大臣、コロンビア ウリベ大統領
左からホンデュラス マドゥロ大統領、IDBイグレシアス総裁、谷垣財務大臣、コロンビア ウリベ大統領

総会の開会式は、皇太子殿下の御臨席を賜るとともに、ラテンアメリカからもボリビア・メサ大統領、コロンビア・ウリベ大統領、ホンデュラス・マドゥロ大統領のご参加を得て盛大に開催されました。総会はまず、これまで総務会議長を務めてきたクチンスキー、ペルー蔵相によるこの一年間のレビューに引き続き、次期年次総会までの総務会議長として、谷垣財務大臣が任命されて始まりました。メサ大統領とウリベ大統領はスピーチの中で、経済発展を支えるためのより効率的かつ効果的な公共部門の必要性を強調し、マドゥロ大統領も同様に、効率的な国家において本当に支援を必要としている階層への利益分配がなされると強調する一方、原油高が、重債務貧困国イニシアティブによる支援効果を減少させてしまう懸念を表明しました。今回の総務会では、MIFの約5億ドルの増資が承認されたほか、新しい融資の枠組みとして、2008年までの間に364億ドルを使用できることが確認されました。また、更なる民間部門の支援のために、10億ドルを上限とする地域貿易金融ファシリティの延長が承認され、総務会は、新設されたIDBグループ内の民間支援部門のコーディネーターへの支持も表明しています。

IDBイグレシアス総裁は閉会式で、ラテンアメリカ・カリブ海地域は、昨年の5.5%に匹敵する経済成長を今年も望めるとしながらも、これは輸出産品の高価格に支えられており、減速に備える必要があることを強調、そのためには、マクロ経済の安定化、ビジネス環境整備、インフラの近代化および貿易の自由化と地域統合への努力を集約させることが必要と述べました。

今回は、3月に正式加盟した韓国がはじめて年次総会に参加し、また、上述の通り、公式セミナーでは、ラテンアメリカ、アジア両地域からのハイレベルなスピーカーが多数参加し、両地域での経験・教訓の共有を通した更なる経済発展等について討議するなど、総会全体では、改めてラテンアメリカとアジアとの協力関係の重要性・強化を議論したことが大きな特色となりました。また、各国代表団による、二国間の会談も活発に行われました。

3. 日本政府および沖縄県のサポート

今回の沖縄総会は、日本政府(財務省)および稲嶺沖縄県知事を委員長とする開催実行委員会のチームワークにより、無事成功裏に開催することができました。セミナー・会議の運営から、国内外からの参加者を受け入れる宿泊施設、移動手段の手配、また数々のソーシャルイベント、サイドイベントまで、いたるところに沖縄の伝統であるおもてなしの心とコンベンションアイランドに向けての熱意が感じられ、参加者からも多くの感銘の声が聞かれました。

4. 結び

今年は、日・中米交流年であることもあり8月には中米各国首脳が来日するのをはじめ、ブラジル大統領等、ラテンアメリカからの国家元首の来日が多数予定されています。駐日事務所としては、今回の年次総会を機に、更にラテンアメリカとアジア両地域の交流・発展に寄与すべく、IDBのアジアとの窓口として活動をしていく所存です。

尚、年次総会に関する資料、ビデオ、写真等は、IDB本部のウェブサイトhttp://www.iadb.org/am2005/index.cfm?language=Englishにてご覧いただけますので、ご参照ください。

来年の年次総会は、ブラジル第三の都市であるミナジェライス州都のベロオリゾンテで4月3日から5日の予定で開催されます。

IDB沖縄年次総会日程
1.公式セミナー

4月6日(水)
 9:30 〜18:00 グローバル化を背景とした送金および移住
 9:30 〜13:30 水資源とミレニアム開発目標
 
4月7日(木)
 9:00 〜18:00 ラ米・アジアにおける科学技術、革新と競争力への戦略
14:00 〜17:30 ミレニアム開発目標:アジアとラ米・カリブ海諸国のベストプラクティスの共有
 
4月8日(金)
 9:00 〜13:00 ミレニアム開発目標:アジアとラ米・カリブ海諸国のベストプラクティスの共有(前日よりの続き)
 9:00 〜18:00 世界経済の中でのラ米・カリブ海諸国とアジア:更なる地域間経済連携に向けて
14:30 〜18:00 新興経済地域における脱ドル化戦略と国内債権市場
 
4月9日(土)
 9:30 〜12:00 中米とドミニカ共和国への投資機会
 
4月10日(日)
15:00 〜18:00 中米とドミニカ共和国への投資機会(前日よりの続き)

2.総務会

4月10日(日)
 9:30 〜12:30 開会式(本会議I)
15:00 〜18:00 本会議 II
 
4月11日(月)
 9:30 〜13:00 本会議III
 
4月12日(火)
 9:30 〜12:30 本会議IV、閉会式

(注) その他、各国のプレゼンテーション、沖縄開催実行委員会主催セミナーや開催国主催の各種ソーシャルイベントが実施された。


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