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パナマ新政権と外交関係樹立100周年
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| トリホス大統領 |
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パナマ共和国政府を代表して、パナマ共和国の独立101周年に際し、日本在住のパナマ国民の皆さんに心からお祝いを申し上げます。また、特に今年は日本とパナマの外交関係樹立から100年目にあたり、天皇皇后両陛下にご臨席いただけたことを光栄に存じます。
今年は日本とパナマの外交関係樹立100周年にあたりますが、まさにそれと時を同じくしてマルティン・トリホス・エスピノ氏がパナマの新大統領に選出されました。トリホス氏は本年9月1日に大統領に就任し、任期は2009年までの5年間です。新大統領は、米国との交渉によりパナマ運河のパナマへの返還を実現したかつての指導者、故オマル・トリホス・エレーラ将軍のご子息です。
5月2日の選挙の後、トリホス大統領は立法議会の議員とともに、政府機関の近代化を目的とするパナマ憲法の改正を国民に提案しました。パナマの憲法改正手続きに従って、2004年7月27日に前立法議会が改正案を承認し、現在は、9月1日に開会した新議会による承認手続きの最終段階にあります。
主な改正事項としては、成人国民の20%の同意で召集され、憲法改正作業を行う並列憲法議会の設立があります。また、立法議会の議席数を71に制限し、議員の免責特権を見直し、立法府からの許可を得ることなく議員を裁く権限を最高裁判所に与えようとしています。職を辞してから5年以内の元議員や行政府の役人を最高裁判事に任命することが禁じられます。さらに、選挙管理委員会と選挙法務長官局を財政的・行政的に独立させ、公金横領の嫌疑がかかった公務員を訴追する会計裁判所を設立します。政府高官に就任直後に資産を公開する義務を課すこと、そしてパナマ運河の拡張などの問題を承認する際には国民投票を実施することも改正内容の一部です。
これに加え、トリホス新政権は9月1日の就任直後から、これまでパナマ国民の生活に悪い影響を及ぼしてきた政治腐敗に真っ向から立ち向かっています。実際にトリホス大統領は就任後まず始めに、国民のすべてが政府機関に情報開示を請求できると定めた「透明性に関する法律」の適切かつ効果的な施行を阻む規制上の障害を排除しました。また、公金横領の有無を確認し、法的責任を明らかにするために、全政府機関に対し監査の実施を命じ、大統領自身から最下級官吏に至るまで、いかなる政府の役人も民間人から贈与を受けてはいけないことを明確に指示しました。さらに、大統領は、今後政府資金はすべて公表し、現政権の職員は公金の用途に関する情報の詳細を開示しなければならないと指摘しています。
トリホス大統領は透明性を高める取り組みとして、先ごろ大統領令により「透明性と汚職防止に関する全国協議会」を設立し、続いて、元特別検察官を政府レベルでの汚職事件の調査・立証の責任を担う汚職防止担当官に任命しました。
トリホス大統領の指示のもと、全国評議会は、高潔さ、透明性、縁故登用、利害の衝突といった点で、職級に関わらずすべての公務員の行動を規律する「統一倫理規定」の承認、入札法の改正、政府機関の入札・調達・予算に関するすべての情報の開示に向けた「パナマ・デジタル・プログラム」の運用に取り組むこととなります。言うまでもないことですが、新政府は、公務員による汚職問題の解決なくしてパナマ国民の多くが苦しむ失業や貧困といった状況は改善されないと確信しています。
政治腐敗との戦いと並行して、トリホス政権はパナマ運河の拡張や社会保障制度改革などその他の根源的な課題にも取り組みます。パナマ運河の問題について大統領は、運河はパナマの発展にとって欠かせない要素のひとつであるとの認識を示し、政府は今後拡張に対する代替案を慎重に検討するとともに、進捗状況につき適時国民に情報を提供する考えを表明しました。この問題については十分に議論し、国民投票に付すことも約束しています。
トリホス政権にとってもう1つの重要な課題は、ここ数年間深刻な年金資金の不足に喘いでいる社会保障制度の改革です。残念ながらこれまでの政府はこの問題について適切な解決策を見つける努力を怠っていたため、社会保障制度は非常に不安定な状態にあります。この点に鑑み、トリホス大統領は、社会保障制度の新たな管理機構の設立に向けて努力することを公約しています。その目的は、社会保障制度の財政的持続性と退職年金プログラムを含む全プログラムの財政的統合を保証すること、理事会に自治権と行政権を付与すること、国民に対するあらゆる社会保障サービスを大幅に、かつ恒久的に充実させることです。トリホス大統領は、社会保障制度改革には民営化は含まれない、制度の財政破綻を防ぐべく取り組みを進める、さらにすべての国民に対し一定水準の快適な引退生活を保証する旨明言しています。
外交については、新政権は国際法・人権・公正/正義・国際協力を尊重して、各国との友好関係を維持していきます。パナマ経済は国際貿易に大きく依存していますから、トリホス政権は、米国やシンガポールとの自由貿易協定の締結など、あらゆる国・地域と貿易協定の交渉を粛々と続けていきます。
日本については、特に日本とパナマの両国が100年間にわたり非常に実りある経済的・政治的・文化的つながりを深めてきたことから、トリホス大統領は両国間のこのすばらしい関係をさらに強化し深めていく決意でおります。日本は1904年1月7日にパナマの独立を最初に承認した国々のうちの一国であったことを忘れてはいけません。
ビジネスの面では、1970年代初めから、日本の有力企業がパナマの柔軟な会社法、特に、コロン自由貿易地帯が提供する優遇税制措置を活用して、パナマに進出していることを申し述べておきましょう。この自由貿易地帯は、日本製品をより大きなラテンアメリカ市場へ輸出する拠点の役割を果たしてきました。
さらに、日本の貨物の22%はパナマ運河経由で輸送されており、運河のユーザーとしては世界第2位です。パナマ船籍を最も多く利用している国が日本であるという事実も指摘しておくべきでしょう。パナマは、世界各地の領事館や海運庁現地事務所による世界でもトップクラスの効率的サービスネットワークを構築していますが、これは日本の海運業界にも裨益するものです。現在、日本が保有する船舶の42%はパナマ船籍であり、その数は約10,000隻、500総トンを超えています。
国際協力分野では、日本とパナマは、国際協力機構(JICA)と日本貿易振興機構(JETRO)のパナマ事務所設立に関する二国間協定を、それぞれ1986年と2002年に締結しました。同様に、日本は現在、国際協力銀行(JBIC)が米州開発銀行(IDB)との協力のもとで支援を提供している「パナマ湾浄化プロジェクト」への協調融資にも参加しています。パナマ政府は、パートナーシップの精神が21世紀にさらに発展することを期待し、国際貿易の拡充に向けたパナマ運河の拡張を真剣に検討しています。
貨物の大半は、優れた機能を有する港湾施設を活用するかたちでメキシコからティエラ・デル・フエゴへと輸送されており、パナマとコロンの間を走る新しい鉄道(2001年操業開始)がコンテナ輸送を行っています。また、パナマとコロンを結ぶ新しい高速道路の完成が目前に迫り、パナマ運河の太平洋側入口にあるハワードにパナマ・パシフィック特別
経済地区を建設する計画もすでに承認されています。さらに、「シティ・オブ・ナレッジ基金」を通じてパナマ運河沿岸地域に整備された利便性の高いインフラを活用し、先進技術を有する企業や高度な学習・研究機関が設立される動きもあります。こうしたなか、トリホス政権のもと、パナマ共和国が今後も南北アメリカのハブとしての機能を果たし、ラテンアメリカ地域における日本の商業上の利益に貢献していくことは疑うべくもありません。
パナマが500年にわたるグローバル化の伝統を継承し、貿易を積極的に推進する国家として発展していくことをここにお約束いたします。
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