ニカラグア共和国

基本情報
ニカラグアは、面積130,668平方キロメートル(ペンシルバニア州を上回る広さ)の中米で一番大きな国です。戦略的には中米地峡の中核に位置し、2つの海にはさまれており、どちらの海の向こう側も西半球最大のマーケットが広がっています。ニカラグアは豊富な天然資源を持ち、非常に高い労働力を誇り投資を積極的に招致する政策を進めています。

正式名称: ニカラグア共和国(1821年9月15日より独立国家)
人口統計: およそ530万人(近年は年3.1%で増加)
公 用 語: スペイン語
公用通貨: コルドバ(C$)。1ドル=16.0850コルドバ(2004年9月の平均交換レートの概算。「クローリング・ペッグ」に基づく固定相場制で、ドルに対して年率6%の割合で下落)。
時  差: GMT-6時間(米中部標準時、メキシコ、中米地域と同じ)。ニカラグアの時間はアメリカ東部より1時間遅れです。

地理と気候
ニカラグアは中米の中核部に位置し、北はホンジュラス、南はコスタリカと国境を接しています。また2本の海岸線は太平洋とカリブ海に面しているので、巨大マーケットにつながるチャンスにも恵まれています。

常夏の国ニカラグアは1年を通して過ごしやすい陽気が続きます。年間平均気温は26℃(79°F)ですが、中央アメリカ山脈が国土を貫いているため気候は激しい変化を見せます。季節は乾季と雨季の2つに分けられます。

ニカラグアは3つの主な地域に分けられ、それぞれにちがった地形、気候、動植物相が見られます。太平洋岸低地は細長い火山帯の上に広がっており、気候は温暖です。雨季(5月から11月)には気温は下がり山々は緑に覆われます。乾季(12月から4月)は貿易風が海岸から海岸へ国全体を吹き抜けます。北西高地は森が深く生い茂り、高い山岳地帯で太平洋、大西洋岸低地と比べ涼しい地帯です。大西洋岸低地は未開の熱帯雨林が広がり(ブラジルを除けば世界で2番目の大きさ)、暑く、湿度の高い地帯です。

人々:熱心で生産性の高い労働力
ニカラグアの人口はおよそ530万人で、最近は年間3.1%の伸び率を見せています。ほとんどの人は太平洋沿岸の都市部に住んでいます。年齢別では若い人たちが圧倒的に多く、人口の65%が25歳未満です。

ニカラグアの150万人強もの労働力は柔軟性と高い生産性を誇り、勤勉で、きちんとトレーニングをつければ仕事の習得も非常に早いことで知られています。40%を超える失業率は今すぐにでも使える働き手があふれていることを示しています。

米国や他の国で訓練されたマルチ・リンガルのマネージャークラスの人材が多く控えており、さらに能力レベルがそれほど高くない労働者もたくさん控えている。自由貿易地域の従業員離職率は3.5%未満で、欠勤率も非常に低く平均3%以下とされている。(出典:自由貿易地域組合)

社会負担と保障
社会保障 15%
長期休暇、年次ボーナス、有給休暇、退職手当 28.64%
トレーニング(INATEC:職業訓練校) 2%
合計費用 45.64%
有給長期休暇:1年につき1ヶ月間
有給休暇:1年につき10日間

主要都市
ニカラグアの首都マナグアの人口は120万人です。そのうち32.5万人以上の住民は20歳から34歳で識字率は85%です。

政治システム
ニカラグアは民主主義共和国で、政府は4部門に分かれています。行政は大統領が統括し、立法、司法、選挙に分かれます。大統領は5年ごとに選挙で選ばれます。議会は一院制で92人の議員の選挙も5年周期で行われます。最高裁判所長官と選挙管理委員長も議会で5年ごとに任命されます。

行政区分
国は15の県に分かれており、それぞれ太平洋沿岸、中部、北部地域に位置しています。大西洋沿岸には2つの自治区域があります。主要都市はレオン、チナンデガ、グラナダ、マサヤ、リバス、エステリ、マラガルパ、ヒノテガ、ブルーフィールド、プエルト・カベサスです。

主な輸出品
主な輸出品目はアパレル、コーヒー、砂糖、ゴマ、食肉、えび、ロブスター、バナナ、ピーナッツ、金です。

主な輸入品
主な輸入品目は工業、農業設備と機械、交通設備、石油と石油製品、プラスチック製品、紙、医薬品、電気製品です。

主な貿易相手国
ニカラグアの主な貿易相手国は米国、中央アメリカとパナマ、台湾、日本、メキシコ、ベネズエラ、ドイツ、スペイン、フランス、イタリアです。

インフラストラクチャー
ニカラグアには10,735マイル(約19,881.22キロメートル)におよぶ高速道路網が整備されています。最新の道路は人口の集中している太平洋沿岸地域に配置されています。国を北から南に駆け抜けるパン・アメリカン・ハイウェイは230マイル(約425.96キロメートル)の長さでニカラグアをホンジュラス、コスタリカと結んでいます。

ニカラグアには6つの港があり、コリント港は国際コンテナー輸送ができる港です。3港(コリント、サン・フアン・デル・スール、プエルト・サンディーノ)は太平洋岸にあり、その他の港(プエルト・カベサス、エル・ブルフ、エル・ラマ)はカリブ海岸にあります。ニカラグアはまた、世界レベルの港、プエルト・コルテス(ホンジュラス)とプエルト・リモン(コスタリカ)まで一日で行くことができます。

現在いくつかの民間投資家グループが両海岸の港を高速鉄道で結ぶという巨大インフラ・プロジェクトを進めています。また別の投資家グループはマナグアを大西洋岸のパナマに次ぐクラスの港と船でつなぐシステムの開発について調査しています。

国際空港(アウグスト・セサール・サンディーノ空港)はマナグアの中心から11キロメートルの場所にあり、空の便でニカラグアに出入国する乗客と貨物はすべてここを利用します。中米でもっとも安全な空港とされており、現在進められている2千万ドルの費用をかけた改修と拡張工事が完成すれば中米地域最新の空港になります。

通信
現在電波ネットワークはデジタル・システムに取って替わられています。国有電電会社であったENITELは完全に民営化され、AT&T、Sprint、MCI/ワールドコムなどの主な国際電電会社と接続することができます。アメリカの通信と直接接続も可能です。

携帯電話サービスも利用でき、プロバイダーはベルサウス、エニテル・モビル、PCSデジタル(テルメックスの子会社)の3社です。高速データ通信、民間ライン、ブロードバンド・インターネット(ケーブル・インターネットも含む)ワイヤレス・インターネットと800ナンバー(米国フリーダイヤル)などその他のサービスもご利用いただけます。

ニカラグアの投資についての一般情報
ニカラグアは本質的に農業国で小さな工業基盤だけを持っています。わが国の外国投資招致法は投資の保護と招致を進めるためのものです。国が協定を結び、公共の有用性があり、社会利益がある場合のみ収用を行って事前に補償し、没収は禁止しています。

補償金は収用前の資産の市場価格に基づき、自由に遅滞なく換金できる通貨で支払われます。国が収用された資産を実際に所有できるのは補償されるまでで、国の安全のためという理由の場合だけです。出資金を預かることと資本と収益の送金はすべてニカラグア中央銀行が行います。投資家は常に公定歩合と平行レートを入手できます。外国投資家への特別税はありません。

税金と関税については外国投資家は契約の申し込みの日付に有効な税制に基づきそれ以後は投資家側に有利な場合にのみ改正されます。

IED(外国直接投資)誘致政策の中で特に優遇的なものとして、自由関税地域では適当な機関と特定の会計期間中取引することができ、国庫の貸付や税金還付が可能なことがあげられます。また外国で得た収入への税金は免除し、所得税はニカラグア国内で得た所得だけにかけられます。資本の本国送還も可能で100%外国資本も受け入れています。

ニカラグアは価格統制や関税障壁を撤廃し、資金の流れを完全自由化し、所有権を保障する方向で歩んでいます。また国有企業の民営化を進めているのは国内競争を健全化し、国際商業の流れに乗ることが目的なのです。

開発政策を優先的に進めている業界としては、コーヒー、食肉業、林業、中小企業、乳業、漁業、エネルギー、観光業などがあげられます。

これらのプロセスを通じて、わが国は貧困を減らし、社会や経済の発展を進め、一競争力となって世界市場に参入したいと考えています。

外国投資の法的枠組み
下記は外国投資に関する法律の一覧です。一般法、特別法、分野別になっています。

ニカラグア共和国憲法
労働法
国家契約法(国のサプライヤー登録)
外国投資促進法と規則
環境と天然資源に関する一般法と規則
税金通商法
観光奨励法と規則
通信、郵便サービスに関する一般法
輸出加工区域法と規則
炭化水素の採鉱と試掘に関する特別法と規則
エネルギー産業法
森林財産の維持、保護と開発に関する法律
水産資源保護法
鉱山と石の採掘と試掘に関する特別法
大西洋沿岸自治法
市法

その他のニカラグア情報
ニカラグアは中米で一番豊富な天然資源に恵まれています。

土地費用は中米のどこよりも低価格です。中米では最も安全で、アメリカ大陸の中でも一番安全な国のひとつとされています。

能力の高さと数の多さが特徴である競争力のある人材は、仕事をすばやく習得し、中米の中で一番低い欠勤率と離職率を誇ります。

空路、海路、ともにアクセスは便利です。(マイアミ、ヒューストン、ニューオリンズへは飛行機で3時間、メキシコ湾のあらゆる港とマイアミへは4日間の航海で行くことができます。)

経済の面では、マクロ経済で意義深い成功を収め、現在は発展段階にあります。(中でも価格統制と関税障壁を撤廃し、対外債務を減らし、資本の流れを完全に自由化したことなどがあげられます。)

政治の面では、 政府は民主主義で、政治的、経済的な自由が約束されています。

中米統合協定
中米の資本、サービス、人材の自由な流れを促進するための協定です。時代にあった法的枠組みを作り地域間の商業を活性化して2千7百万の中米消費者の行き来が自由になりました。この協定により、中米の自然の作物やそれから作られた製品は輸出入税の支払やその他の税金、輸出入から発生する追加料金、税あるいはそれを理由に課される国や自治体や他機関からのいかなる経費も免除されることになりました。投資家に有利な税制改革として、原料、中間財、機械、設備の輸入のための税金免除などがあげられます。

知的所有権の保護
新案特許法、実用新案法、意匠法、著作権と著作隣接権そしてその他の承認された関連の協約によって保護されています。

商業協定
・ メキシコとの自由貿易協定
・ 中米FTA(自由貿易協定)−チリ
・ 中米FTA(自由貿易協定)−パナマ
・ 中米FTA(自由貿易協定)−ドミニカ共和国
・ CAFTA(中米自由貿易協定)
・ 特別協定:SG(中米統合機構事務総局)を優遇する全体システム
18の2国間協定が結ばれ双方の投資の促進と保護が進められています。1995年からは米国も参加しています。

カリブ海域イニシアチブ(ICC)
アメリカ合衆国が経済成長を促進するための包括的なプログラムで、中米諸国とカリブ海地域の民間分野の活性化を奨めるものです。主な目的は伝統的な分野以外への国内外の投資を増やし、地域の経済を多角化し輸出を増加することです。

投資の安全は投資の保護に関する2国間協定によって確保されています。
・ MIGA:多数国間投資保証機関(世界銀行による)
・ ICSID:投資紛争解決国際センター
・ OPIC:海外民間投資公社

国際調停
ニカラグアはICSID投資紛争解決国際センターに参加しています。詳しくはMIFIC(ニカラグア商工勧業省)ホームページをご覧ください。

輸出
税制法の中に輸出の促進について定められています。輸出許可は謝礼金などを一切払わずに取得できます。輸出のFOB価格の1.5%相当の税金が払い戻しされます。

有力な輸出品と主な行き先
有力輸出品 市場
米国 ヨーロッパ 中米
農業と農工業分野
 キャッサバ芋(パラフィン加工、冷凍)      
 ピーナッツ(殻なし、加工)      
 カカオ(豆、粉末)      
 原産地表記入り蜂蜜(瓶入り)      
 フリホール豆(黒、赤、白)   n.c.  
 野菜の缶詰(ホール、カット)      
 多肉質の果実、乾燥野菜      
 エコロジー栽培のカカオ      
 エコロジー栽培のコーヒーと砂糖      
 特定銘柄コーヒー     n.c.
畜産業
 骨なし牛肉      
 骨なしエコロジー牛肉      
漁業(漁業、水産業)
 えび(天然、養殖)      
 ロブスター      
装飾品
 草木(シダ類や草)      
注:需要からの評価
n.c.:該当なし
とても多い 多い 普通

ビジネスチャンス
農業 農工業(農業) 水産業 林業 工業
ゴマ
パイナップル
マンゴとグアバ
メロン
種無しスイカ
染料、スパイス
調理済み野菜
ケキスケ、マランガ(サツマイモの一種)
オクラ
ショウガ
エコロジー栽培の果物、野菜
柑橘類(レモンとオレンジ)
果物缶詰(ホール、カット)
果物のジャム、ゼリー、ペースト
果物と野菜のジュース
乳業
チョンタルチーズ
ケシージョ(生チーズ)
ヨーグルト
ハード・チーズ
マイ−マイ(ヨーロッパへダイ)
冷凍マグロ
テラピア
メロ、パルゴ
生鮮マグロ
缶詰マグロ
カタツムリ、カキ、タコ
マカレラ
床板
壁や天井の上張り
受注デザイン家具
薄板とベニヤ板
建設用材扉、窓など
木綿製既製服
食用種子油
ラムや蒸留酒類
飼料用濃縮加工品
葉巻
手工芸品
土器、木管楽器、ハンモック
精肉業 特別製品 装飾品 投資の獲得 観光業
骨付き牛肉
牛の畜殺体と半畜殺体
エコロジービーフの
畜殺体と半畜殺体
“フェアトレード”商品
民芸品
切花:ガーベラ、菊など
寄生観葉植物
低木、樹木の観葉植物
金属以外の鉱物の採掘
エネルギー業
その他のPND(国家開発計画)
出典: 「将来性のある輸出品の研究」ニカラグア商工振興省(MIFIC)発行

観光分野

色鮮やかな民芸品
色鮮やかな民芸品
ニカラグア政府観光局は観光を国際市場に売り出すための戦略を探っています。そのために天然、文化資源の維持と競争力をベースに品質を高める努力をしています。

観光拠点に関する政策決定に民間企業の参加を認め、観光業の発展がしやすいように促進すると謳った国の公約を果たしています。政府は観光を発展し、統制し、販売するという3つを約束しています。

観光に関する一般法(法律第306条)は企業、国家、観光客の目的、義務、権利を謳っています。また観光業を促進する方針を尊重し、後押しするための政府の政策についても書かれています。

わが国の天然、文化財産の知識は観光発展の拠点としてふさわしい場所を見分ける国家戦略を進めるのに貢献しています。そして投資の方向性を定めたり、計画中の地域の観光効果を統制することもできるでしょう。

投資のチャンス
ニカラグアの豊かな観光資源
ニカラグアの豊かな観光資源
ニカラグア政府は観光促進キャンペーンに予算を当て、ニカラグアの企業が大手のお客様としっかりと安定したビジネスラインを結べることを目指しています。

2003年度、ニカラグアには52万5千人の観光客が訪れ2,355の観光施設で受け入れました。次なるステップは宿泊施設を6,288部屋増やし、平均5日間滞在の85万人の観光客を招き2003年度の1億5千180万ドルをはるかに上回る年間4億2500万ドルの観光収入を得ることです。さらに国の主要な港を改修し、最新化するプロジェクトや、水力発電所と地熱発電所の建設、最新技術の通信網の整備を進めています。

優遇税制
観光促進法は所得税、不動産、輸入税、材料の購入、建築物の付属品や備品、家具、設備や船舶などに対して寛大な免税措置をとっています。

港と道路
ニカラグア政府は開発スポットへの道路整備を目標に掲げており、現在海岸線の道路建設が進められています。これは一つ一つの観光投資プロジェクトを補強するもので、ニカラグアの南太平洋沿岸を130キロメートルにもわたり4,660万ドルの費用をかけて進められています。費用には研究費、デザイン費、建設費、監修費が含まれています。

浜辺をつなぐ交通網
現在中米経済統合銀行の資金調達で総額80万ドルをかけて研究とデザインが行われています。

24ヶ月間で建設と工事の監修を行う予定で、2005年第3四半期に着工されます。第1段階では、モンテリマール、マサチャパ、ポチョミル、ウエウエテ、ラ・ボキータ、カサレス、エル・アスティジェロなど主要な浜辺をつなぎます。

第2段階ではラス・サリナス、ギスコヨル、ピエ・デ・ヒガンテ、マンサニージョ、プンタ・ブリト、プンタ・マハガルなどに到達し、最終的にはサン・フアン・デル・スール、エル・タマリンド、プラジャ・エルモサ、プラジャ・エスカメキータにまで到達する予定です。

競争力
ニカラグアはいま新しいビジネス環境を整えていこうと動き始めています。経営の簡略化、人材育成、テクノロジー、融資、土地へのアクセスを契約、労働管理、税金負担、競争法、品質、度量衡、ロジスティックス経費を尊重した上で進めていきます。
―在日ニカラグア共和国大使館提供