一つ減った医療/保健の障壁
ペルーでは、貧困層を対象とした医療/保健制度が母子死亡率の減少に役立っている

 

ダニエル・ドロスドフ(ペルー、アヤクーチョ県)

 デリア・カンチャリは出産で命を落とすところだった。

 ペルー南部の辺鄙な町アスコビンチョスに住んでいるその18歳の少女は、本来であればともすれば妊婦の定期健診を受けに最寄の都市まで行く費用に二の足を踏んでいたことだろう。そして、正常分娩が不可能な状況であることなど知る由もなく最善の結果を期待して出産の時を待っていたことだろう。そして、資金や情報がなく、救急医療を受けることもできない無数の人々と同様、胎児を失い出血多量で死亡していたことだろう。

ペルーのリマにあるInstituto Materno Perinatalは、政府の総合保険制度(SIS)の仕事をする医師の研修病院の役割を果たしている

 ところが、この少女カンチャリは幸いだった。妊娠、出産、産後の治療が無料で受けられる新しい公的医療/保健制度について聞いていたのである。そして友人に促されてその制度に申し込み、アヤクーチョ県の中心都市にあるアポージョ・デ・ウアマンガ病院で産科医の診察を受け、そこで自分の状態について充分に警告をされ、その病院で帝王切開を受けて無事に出産することができた。生死にかかわる妊娠合併症で2002年に同病院を受診した低所得層の女性は2,300名。カンチャリもその一人だった。最も多い問題は、未熟児出産、貧血、帝王切開、流産、感染症、栄養不良、異常出血などであり、死亡例はわずか6例だった。症例が重症である割に死亡率は低いと病院の職員は考えている。受診が遅れていたらこれらの女性の死亡率はこれよりもはるかに高くなっていたことだろう。彼女たちが今でも生きているということは、スペイン語の頭文字から通称SISと言われる総合保険制度が成功していることを物語る大きな証拠である。

 SISは、IDBからの2,800万ドルの融資を部分的に充当したペルー政府のプログラムの一端で、妊産婦の医療/保険及び5歳以下の子供の基本的小児科医療を全額補助することにより、最も貧しい諸県の住民が既存の医療サービスを利用できるようにすることを目的としたものである。

 全文はhttp://www.iadb.org/idbamerica/index.cfm?thisid=2461(英語)にてどうぞ。

新生児を抱くデリア・カンチャリ

 

 


 


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