ワンストップ裁判所
ペルーには、従来とは一味違った裁判所があり、辺地に住む人々が利用しやすくなっている

 

パウル・コンスタンセ

 多くのティーンエージャーがそうであるように、19歳のシンティア・マンリケも、まさか自分から進んで裁判官の前に立つとは夢にも思っていなかった。

 ところが2002年6月のある暖かい朝のことである。ペルー南部の都市アレキパ郊外の労働者階級地域パウカルパータの裁判所入口に集まった10人前後の人の中でマンリケは親友と緊張気味に談笑していた。

 マンリケがここに来たのは初めてではない。訴訟の内容については話してくれなかったが、今回の訴訟は自分が起こし、訴訟手続きは順調に進んでいるということだった。「長い時間待たなくても、担当官がその場でどんな質問にも答えてくれる」と彼女は言う。

 実際のところ、通称Módulo Básico de Justicia (MBJ、基本正義モジュール)というこの施設は、従来の裁判所というよりは顧客サービスセンターの趣がある。建物はU字型をした普通の平屋建てである。正面受付でチェックインをすると、検事、国選弁護人、様々な種類の判事、法律文書係のオフィスに通じるドアの一つを示される。U字の中は広いオープンスペースになっていて、書記官や事務官が大勢詰めている。窓には高さがあり、窓の外に設けられたベンチに腰掛けて公判などの様々な法手続きを見学できるようになっている。足元に広がる満開のゼラニウムと小ぎれいに刈り込まれた芝生がさらに居心地の良い雰囲気を生み出している。

 ペルーのMBJは、ラ米の司法制度で最も古くから言われ続けてきた欠陥、すなわち「市民が裁判所を利用しにくい」という欠陥を解決しようという果敢な試みである。ほぼ20年間、ラ米各国の司法制度は、民主主義の強化およびそれに伴う人権や政治・経済の権利の保護を背景とする司法サービスの需要増大に対応すべく苦悶してきた。自由化された市場で競争するために短時間で紛争を解決しなければならない企業や起業家、政府の対策について政府の説明責任を問うのに法律を利用することが増えている市民団体、問題の解決を求めて積極的に裁判所に行くようになっている一般市民など、需要はいたるところにある。

 全文はhttp://www.iadb.org/idbamerica/index.cfm?thisid=2305(英語)にてどうぞ。

シンティア・マンリケ(右)。パウカルパータの裁判所にて

 

 


 


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