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マイクロファイナンス機関が格付基準を達成
彼らはなぜ商業銀行界の基準に基づく監査と格付けを進んで受けようとしているのか |
チャロ・ケサダ
マイクロファイナンスが充分に発達してきた。かつては極めて専門的な、周辺的慣行と考えられていた、開発途上国における起業家への少額貸付は、今では雇用を創出し、経済成長を促す有効な方法と認められている。世界各地で、何千というマイクロファイナンス機関が、年間、何十億ドルもの資金を低所得者に融資している。
マイクロファイナンス機関(MFI)も成熟した。多くの場合、正規の融資を受ける機会を与えられていなかった小規模な投資家や起業家を助けようと、市民団体による取り組みとして始まったこれらの事業は、現在では、従来の銀行業と並んで重要な金融事業となりつつある。そして、最近の調査によれば、極めて収益性も上がってきている。域内のMFIの中には、世界最大の金融機関のひとつであるシティグループより収益性が上回っているものすらある。
また、マイクロファイナンスの潜在的収益性が認識されるようになったことから、投資家の関心も強まっている。だが、投資家がMFIへの投資リスクを評価しようにも、標準化された情報の不足がその障害となって、難しい状況にある。最近まで、MFIの支払い能力、経営効率、ポートフォリオの質、あるいは、収益性を評価するための一般に合意された基準というものがなかった。その結果、投資家ばかりかMFIへ資金を拠出したいと考えるドナーさえも、MFIの業績を比較する術を持ち合わせなかった。
マイクロファイナンスは何千という小規模な組織が限られた資金で、かつ様々に異なる方法で営業するという、分散した市場であることが、問題をさらに深刻化させた。マイクロファイナンス業者に対して、標準会計慣行を採用し、監査や外部評価に費用をかけ、その結果を公表するということのその利点について、誰かが教育する必要がある。
帳簿の公開
IDBのマイクロファイナンスの専門家トア・ジャンセンは、「IDBでは、MFIの財務・運営の透明性に向けたこのような動きを奨励している。というのは、多くの小規模なNGOは、この種類の責任にたとえ慣れていなくとも、長期的には極めて利点が多いからだ。これは、このセクターの金融市場への参画を容易にし、その資源を拡大して、次の成長の段階に向けて準備を整える重要な方法であろう。」と説明する。
ジャンセンは、IDBグループの一員としてラ米・カリブ海地域における民間セクターの発展を支援している多数国間投資機関(MIF)が、現在、マイクロファイナンスに関与する29の二国間および多国間援助機関の連合である「最貧困層を援助するための協議グループ(CGAP)」と連携し、運営に当たっているプロジェクトを通じてMFIの外部評価を促進している、と説明した。2002年、この2つの組織は、評価を受けることに関心のあるMFIの第一段階を円滑にする目的で、「マイクロファイナンス格付け・評価基金」を創設した。基金は、定評ある格付け会社と評価費用の一部を負担する補助金のリストを提供している。ジャンセンは、「MFIが格付け会社を一社選び、自分で契約を交渉する。こちらでは8,000ドルを最高額に評価費用の最大80%を供与している。全体の費用は、12,000ドル程度と見られている。」と説明する。基金の目的は、MFI市場における格付けへの動きを活性化することにあり、従って、この取り組みは3年で終了される。
ジャンセンによれば、基金は当初、このように小規模な業務に関心のある格付け機関を見つけるのに苦労したという。MFIセクターについて充分認識を得てもらうために、IDBの職員が大手格付け機関と数多くの協議を重ねる一方で、ラ米諸国の多数の格付け機関が関心を示し始めた。現在、基金のウェブサイト(http://www.iadb.org/mif/website/default.asp?C=1&L=1)には、格付け機関としては最大手の多国籍企業の1社である米国のスタンダード・アンド・プアーズのほか、ラ米の格付け会社数社を含め、13の参加格付け機関が掲載されている。ジャンセンは「『大手』の中でこの仕事に本格的に取り組み始める機関がでてきているのが本当に重要だ。」と言う。MFI専門の格付け機関としては、米国バージニア州のアーリントンに本拠を置くミクロレイト社がもっとも有名であろう。ミクロレイト社は、1997年以来、アフリカおよびラ米の100社を超すMFIの評価を行っている。同社は、「投資家および借り手が(様々なマイクロファイナンス会社の)リスク・レベルを測定するのを助け、金融市場の円滑な機能に必要な透明性のある環境を生み出すため」データベースを構築した。ミクロレイト社がラ米地域のMFIについて出している定期報告書は、評価対象組織の許可を得た上で、要求しだい入手することができる。
2001年後半、ミクロレイト社は、もっとも成功を収めたラ米の大小MFI 29機関を分析した『ミクロレイト29』を発表した。報告書によれば、これらの機関のローン・ポートフォリオは、地域が経済危機にあった1年間でも22%と素晴らしい伸びを示した。さらに、伸び率146%のメキシコのコンパルタモス、80%のペルーのコンフィアンサ、72%の同ペルーのエディフィカールと、異例の伸び率を示した機関もあった。
(関連サイト:http://www.microrate.com/SPANISHsite/Default.htm)
これらの機関のローン・ポートフォリオの質、効率性および収益性も見事なものであった。女性が経営するMFIの世界ネットワークである、女性世界バンキングに加盟するコロンビアのいくつかの女性NGOは、国内の厳しい情勢にもかかわらず、驚くべき業績を上げ、ポートフォリオの質では上位10社にランクインした。それらはまた、小規模経営・低金利融資でも利益を上げることが可能であることを実証した。評価の対象となった29機関のうち、4機関以外はすべて2001年において黒字を記録した。
成長セクター
アナリストはMFIを極めて収益性の高いビジネスと評価しており、ラ米においては、業績見通しも極めて良好と保証している。ボリビアとペルーのマイクロファイナンス市場が地域で主導的な位置を占めている。ボリビアのバンコ・ソルは、商業銀行になるまでに成長した。とはいえ、域内の二大経済大国であるメキシコとブラジルにおいては、マイクロファイナンス市場は依然未成熟である。
スタンダード・アンド・プアーズのラ米部門は、「マイクロファイナンスにおける主要なリスクを特定する」(関連記事:http://www.iadb.org/idbamerica/_PDFs/S&PMicrofinance.PDF)と題する研究論文で、地域で活発化し始めている競争は、「この圧力が健全な業務慣行に影響を及ぼしたり、価格を歪めるようなことがない限り」好ましいものである、との考えを明らかにしている。論文は、競争圧力によって一部MFIが消費者信用を導入し、その結果、零細企業数社が債務過剰に陥ったボリビアの事例を紹介している。スタンダード・アンド・プアーズは、顧客を失いたくないがために、与信がこのような、あるいは他の形で緩むと、通常延滞債権が増大し、最も重要なマイクロファイナンスの原則の1つである支払い誘因が損なわれる、と警告している。
MFIには、少額で数千人という貸し手に分散されたポートフォリオを保有するという利点がある。しかし、スタンダード・アンド・プアーズは、ラ米ではこのようなポートフォリオは、概して都市や1つの州に地理的に集中する傾向にある、と指摘する。すなわち、ラ米のMFIは、たとえばラパス市の自治体の金融危機の際にバンコ・ソルに起こったような地元の危機や、また、営業を行っている地域社会で自然災害が発生した場合にその影響に対して脆弱であることが多い、ということである。
評価・格付けへの動きは、たとえば、政府による規制強化や独立監査など、マイクロファイナンスセクターの成熟化と、このような危機を管理するその能力を実証するような他の動向と、並行して現れてきたものである。ジャンセンは、「このような動向の利点は明らかだ。透明性は、金融市場へのアクセスを増大する。また、MFIが自身についてよく知り、弱点を見極め、他の機関と自身とを比較する上で大いに役立つものである。欠点を改めざるを得なくなる。」と指摘する。
ジャンセンは「これは文化的な変革だ。しかしMFIは、これが決して不可能なプロセスではないことが分ってきている。」と述べている。
(原文をご覧になりたい方はhttp://www.iadb.org/idbamerica/index/cfm?thisid=1953 をご参照ください。)
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