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IDBダイアローグ
「メルコスールへのゲートウェイ、パラグアイでの
ビジネス・チャンスと 投資機会」
モレノ・ルフィネリ外務大臣を迎えて |
2002年3月26日、当事務所は、我が国外務省の招聘でパラグアイから来日中のモレノ・ルフィネリ外務大臣をスピーカーに迎え、IDBダイアローグ「メルコスールへのゲートウェイ、パラグアイでのビジネス・チャンスと投資機会」を(財)海外投融資情報財団(JOI)と共催した。参加約80名。(後援:在京パラグアイ共和国大使館、国際協力銀行。協力: (財)国際金融情報センター(JCIF)、(社)海外コンサルティング企業協会(ECFA)、(社)ラテン・アメリカ協会(LAS))
ミゲル・ソラノ=ロペス在京パラグアイ大使の開会挨拶に続いて、在パラグアイ歴33年の日本人実業家で、全パラグアイ日本人会連合会名誉会長兼パラグアイ日本商業会議所会頭の豊歳直之氏がご自身の経験に基づく、パラグアイの投資環境の良い点、改善が期待される点双方に触れた後、モレノ・ルフィネリ外務大臣を紹介。ルフィネリ大臣の講演は日本語ビデオによるパラグアイ紹介を含む形で行われた。
なぜパラグアイに投資するのか
(1) マクロ経済の安定:90年代の累積インフレ率はメルコスール加盟国の中で最低。対外債務額(2000年22.34億ドル、GDPの25%)がラ米で最も少ない国の一つである。
(2) 比較優位:豊富で安価な電力エネルギーがある。特に水力発電資源が豊富である。天然資源も豊富で、教育が容易な若い労働力も豊富である。投資に対する優遇税制も多い。個人所得税がなく、価格管理も無い。輸出税も無い。社会保障負担は35〜40%と低い。法人所得に対する税率は30%。投資法60/90の適用を受ける利益は5年ないし10年の間わずかに1.5%となる。農牧業所得課税(IMAGRO)はみなし農牧業純所得の25%である。付加価値税は10%である。
(3) 地理的位置:パラグアイは南米とメルコスール両方の中央に位置し、メルコスール域内、域外両市場へのアクセスが良い。特に、主要な生産・消費地であるメルコスール各国首都は飛行機ですぐである(パラグアイの首都アスンシオンからの飛行時間:サンパウロ1時間45分、モンテビデオ2時間、ブエノスアイレス1時間50分、サンチャゴ、ラパス2時間40分)。太平洋と大西洋を結ぶ横断道路が通り、地域統合メガプロジェクトのイドロビア(HIDROVIA(パラグアイ、パラナ両河を結ぶ水路計画))の重要部分を担う。
(4) 運輸手段:パラグアイ河(2,182km)とパラナ河(1,240km)は輸出産品輸送の主要水路である。国際空港が二つあり、どのような種類の航空機も離発着できる。道路網も整備され、地域の一体化を容易にしている。
(5) 地域市場:地域各国との間に伝統的な貿易文化がある。生産部門には伝統資本があり、対外借入れへのアクセスが存在している。
(6) メルコスール加盟国:メルコスールは、世界第4の貿易統合圏である。ラ米GDPの約50%、人口の40%以上(2億1,700万人)を占める。面積は1,200万平方km。メルコスールのメンバーであるパラグアイは、地域統合に属さない他の国に比べて大きな貿易交渉力を有している。メルコスールは、チリ、ボリビアとは特恵協定を締結している。また、EUとの自由貿易協定、米州自由貿易地域協定(FTTA)の交渉中である。メルコスールGDPの産業別構成は、製造業23%、公共・社会部門20%、金融・保険・サービス業14%、農牧畜水産業12%、商業11%、建設7%、運輸・倉庫・通信6%、電力・ガス・水道5%、鉱業2%である。輸出構成は、食品・飲料39%、天然資源を基としない製品36%、天然資源を基とする製品8%、鉱物・金属7%、非加工品5%、燃料5%。外国からの直接投資は、自動車・同部品36%、貿易・建設12%、化学・薬品11%、冶金9%、食料・飲料・たばこ9%、電気・電子6%、テレコミ6%、天然ガス・石油5%、鉱業4%、電力エネルギー3%である。
(7) 人的資源:若い国民が多い。人口の70%が30歳未満で、訓練は容易である。宗教・民族・地域紛争が無い。労働組合は穏健で、暴力に訴えたりすることがなく、話し合いに前向きである。中間管理者養成のための私立大学、技術専門学校や若年層向けの職業訓練学校が新設されている。これら学校は、将来の潜在的労働力を生みだすだろう。
(8) エネルギー資源:パラグアイはラ米で最も重要な電力エネルギー輸出国である。工業用電力コストはラ米で最も安く、世界でも最も安い国の一つである。水力発電はほぼ無限に再生可能で環境にもやさしい。稼動発電能力は約800万KWである。計画段階にあるコルプス水力発電プロジェクトは600万KWの発電ができると見込まれている。
(9) 法的枠組:内外民間投資は完全に自由である。貿易、資本移動も自由である。外国投資家も国内投資家とまったく同一の保証、権利、義務を享受する。資本、利益の国外送金も自由である。また、投資家は、投資保険を自由に選ぶことができる。パラグアイは92年にMIGA(多数国間投資保証機関)に加盟。多くの国と二国間投資促進・保護協定を締結している。紛争が生じた場合、投資家は、国内司法、国際仲裁あるいはUNCITRAL(国連国際商取引法委員会)のルールに基づく臨時法廷のいずれによって解決するかを選択することができる。
(10) 技術開発:パラグアイの家庭の80%以上が電力供給を受けている。携帯電話市場では4社の多国籍企業が操業している。光ファイバー網が急速に拡大し、インターネットサービスの普及も早い。
投資恩典
(1) 投資に対する税制恩典:60/90法が国内外投資の税制恩典を定めている。具体的には以下の恩典である。
@ 法人税の95%を5年間免除
A 配当金課税の5年間免除(更に延長の可能性あり)
B 株式の募集・譲渡、増資に対する いかなる課税からも免除
C 関税の全額免除
D 預託金等に対するあらゆる銀行税の免除
(2) マキラ(MAQUILA)法:1064/97法がこれを定めている。地元企業に、財・サービスの下請け、共同生産をもたらす企業の設立を促進する制度。2000年7月に制定された。保税加工を意味するマキラの対象となる外国からの直接投資には、特別の内国税・関税政策が適用される。国内企業(MAQUILADORA)は、外国企業の本社から原料、部品、機器、技術の提供をうける。マキラドーラは、製品加工(例:自動車組立)やサービス提供を行い、完成した製品を原則輸出する。製品の国内販売は制限される。マキラの下請け生産を行うスブマキラ(SUBMAQUILA(国内企業))も存在する。マキラ製品に対する課税はパラグアイで付加された価値の1%である。付加価値には、国内調達の材料やその他の国内生産コスト(労賃、電気代、水道代等)が含まれる。マキラ企業は関税を含むその他一切の課税の免除を受ける。ただし、マキラ法の恩典を受けるためには、メルコスールの域内無関税措置基準、すなわち60%以上のメルコスール原産率充足が必要である。
どの分野に投資するか
(1) 農産分野:主に大豆、コーン、ひまわり等の食用油用作物、綿等の繊維、穀物(小麦、米)、マテ茶等が上げられるが、新しい投資機会としては有機砂糖、有機甘味料(ステビア)、野菜を原料とするバランスの良い飼料がある。
(2) 食品分野:動植物系材料が豊富で、ブラジル、アルゼンチン北部への輸出もあり、大きく伸びている。品目としては、酪農製品、野菜と果物、天然ジュース、肉および肉製品、植物油等がある。
(3) 電力を必要とする産業:肥料、燐酸塩、金属と非鉄合金、アルミ、電子化学品、セルロースと紙、尿素、鉄鋼製品等である。
(4) 畜産分野:大規模な放牧や集約的な牧畜が行われており、食肉とミルクの価格はメルコスールで最も安く、競争力が強い。食肉には、口蹄疫や狂牛病がない。定期的ワクチン接種も行なわれている。土地代が安く、生産、販売コストも低い。1,000万頭以上の家畜がおり、伝統的に牧畜業が盛んである。
(5) サービス産業:銀行、スーパーマーケット、保険、エコツーリズムと農場、保健、退職手当制度、教育等をあげることができる。
(6) その他の産業:繊維、林業・木材加工、鉱業、組立工業、金属工芸、自動車部品製造、皮革・皮革製品、合成樹脂、化学品、薬品、セメント等がある。
(7) 民営化・コンセッション分野:マキラ産業と同様、パラグアイはこの分野にも多くの投資機会を有する国である。具体的には、電話システム(4月30日入札予定)、上下水道(アスンシオンで今年入札予定)、セメント、石油精製・販売、港湾・空港、送電・発電(特にコルプス水力発電ダム)、道路建設・保守、ガスパイプラインなどがある。
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