太陽でインターネットに接続
ソーラーパネルで発電やインターネット接続をするホンジュラスの遠隔地の村々

 

左の建物は、ホンジュラスのサン・ラモンにある太陽光発電の「技術パッケージ」施設。学校やコミュニティセンター、そして地元住民が使えるパソコンがある「イノベーションホール」が入っている。

ダニエル・ドゥロスドフ

 ラ米の遠隔の村々では発電を、騒音がうるさく扱いづらいディーゼル発電機で行なうのが一般的である。しかし、ホンジュラスのサン・ラモンは違う。コンピュータのキーを叩く軽やかな音を遮るのは、学童の声とロバの鳴き声くらいのものである。

 サン・ラモンは普通の村ではない。そのことは、学校やコミュニティセンターの屋根にずらりと設置されているソーラーパネルを見れば一目瞭然である。この村よりも遥かに大きくて豊かなコミュニティに揃っている近代的利便設備に充分匹敵する電気量をこのパネルは供給している。

 チョルテカ市の上の丘陵地帯にある人口840人のこの村は、開発の活性化のためにテクノロジーを利用し、新しいチャンスを創り出すプログラムを実施した先駆者である。このプログラムでは、最初の段階で、100のコミュニティに「技術パッケージ」及びサン・ラモンで既に稼動しているようなエネルギー生産設備が支給される。期待通りの結果が出れば、ホンジュラス国内の他の25,000カ所の遠隔の村でも同じプログラムが行なわれる。

 このプログラムは、IDBからの850万ドルの低金利融資で行なわれているもので、「代替エネルギーで作動するコンピュータ、ファクス、携帯電話、ソフトウェアから成る技術パッケージを提供すること」が基本概念となっている。このパッケージは、教育の改善、研修の実施、小規模事業や零細企業の振興を目指し、調整・統合された方法で導入される。

 IDBのプロジェクトチームリーダーのペドロ・サエンスは、「ホンジュラスのような貧しい国の農村が、広がる一方の技術の溝を埋めるには、こうした一体化し、かつ的を絞った取り組みを行なうしかない。地方の住民が新しい技術を利用できるようになれば、市民参加の増加、教育や保健の改善、職探し、収入の確保、そして長期的には自尊心の向上が可能になる」と言う。

先例となるサン・ラモン

 ホンジュラスは、ソーラーエネルギーで作動する技術パッケージをサン・ラモンの他にもサン・フランシスコとラ・イカカの2つの遠隔コミュニティに支給し、IDBの融資を受けたプログラムの基礎を作った。このプロジェクトは、ホンジュラス科学技術庁(COHCIT)が主導し、UNESCOをはじめとする団体が支援したものである。

 サン・ラモンのソーラーパネルで作られた電気は、今ではさまざまな新しいサービスや施設に動力を供給している。例えば、街路灯5本、テレビやビデオ、コンピュータその他設備が接続できるコンセントがある教室6つ、村の教会の照明、診療所の温水/冷却水装置や医薬品やワクチンの保存装置などである。また、このパネルはコンピュータ、ビデオテープレコーダー、デジタルカメラ、スキャナー、プリンター、その他の設備が整った革新的教室にも電力を供給している。

 プロジェクトでは、技術パッケージを支給する前にも、支給の必要条件として村に委員会を設置することを求め、村人を動員した。パッケージが設置されると、250人だった就学人数は1年で350人に増え、地元の学制に第7学年から第9学年が追加された。サン・ラモンで行なわれた調査では、住民は、自分達の生活の質について、技術パッケージが導入される前を(1から10の点数で)0、現在を8と採点していた。

 プロジェクトが新しく拡大されれば、参加農村は、現在実施されている2つの遠隔学習番組を視聴することができるようになる。一つは、13歳以上の青少年と成人を対象とする双方向的なラジオ番組EDUCATODOS、もう一つは、EDUCATODOSと対象は同じだが、テレビ版のTelebasicaである。遠隔の村々では未だ実現していないが、いずれは地域で子供たちに中等教育ができるようになることが期待されている。

 IDBの融資を受けたこのプロジェクトでは、3つのコミュニティで行なわれているパイロットプロジェクトで得られた教訓を生かしていく。例えば、技術の重複や過剰コストを防止するためにさらに注意が払われる。また、投資と技術支援の持続性をさらに重視し、求められている結果がイノベーションによって確実に実現するようにする。そのためには、関係機関の調整が重要になる。

 プログラムでは、適切な技術による実験そして重要な問題解決分野を対象とする研究を取り入れていく。こうした活動は、貧困地域のためになる国家の科学技術政策の定義に役立つことだろう。

 サン・ラモンやサン・フランシスコを視察し、この国の教育技術パッケージの体験を研究した、IDBの持続可能開発局の教育専門家であるエイミー・ベルディスコは、「ソーラー村で採用された教育モデルの興味深い点は、これがホンジュラスの問題に対するホンジュラス的な対応であるということである。テレビやラジオを通じた遠隔学習など、コスト効果が高く比較的低い技術が、教育を受ける機会を増やし、教育の質を高めることができることを実証している」と語っている。

 しかし、ベルディスコは、「教育者たちは、インターネットやコンピュータといった高度な技術を導入する最も良い方法について未だ検討中である」と釘を刺し、「こうした技術は、学生や教師をさらに高いところを目指す意欲を起こさせるが、COHCITの専門家は、教えたり学んだりする過程に技術による付加価値を増やすためには、予め組み込まれたコンピュータソフトを国のカリキュラムや学生のニーズに適応させる必要があると言っている」と付け加えている。

 さらにベルディスコは次のように続けている。「これは技術過剰の問題である。村によっては、『無視過剰と現状維持か、技術の過剰か』のいずれかの選択になると言えるだろう。結論は、現状維持よりも技術の過剰の方が良いということだ。」

 ホンジュラスのサン・ラモンで行なわれた技術パッケージの実験について詳しくは、エイミー・ベルディスコ及び大臣でありホンジュラス科学技術庁のトップを努めるアナリダ・メラーラ・デ・フランコーニの論文「デジタルデバイドを埋めるホンジュラスのソーラーエネルギー(Honduras Solar Energy Bridges the Digital Divide)」を参照。

 

 


 


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