送金は開発促進に役立つか
IDBの多国間投資基金マネジャーが、移民による本国への送金を地域社会全体の利益のために活用する方法を説明

 

MIFマネジャーのドナルド・F・テリー

ピーター・ベイト

 ドナルド・テリーは、ラ米・カリブ海地域の民間セクター育成に資金供与を行っているIDBグループの一機関、多国間投資基金(MIF)のマネジャーである。

 テリー氏は、MIFに加入する前は、財務省の次官補、ならびに米議会の経済合同委員会、下院中小企業委員会、下院銀行委員会のスタッフ・ディレクターとして米国政府で働いていた。同氏はエール大学から政治学の学士号、カリフォルニア大学バークレー校ロースクールから法学の学位を取得している。

 米国在住のラ米系移民の送金を故国のコミュニティ開発プロジェクトに向ける特別基金創設のMIF計画案について、最近行われた本誌IDBAmericaのピーター・ベイトによるテリー氏のインタビューを紹介する。

 IDBAmerica:公共セクターや移民社会からの資金をプールして、コミュニティ開発プロジェクトに投資するという投資基金の設立は、国外在住者がビジネス・パートナーになる十分な信頼を政府に寄せることを前提としているわけですが、各国政府はそのような信頼を勝ち得るためには何ができますか。

 テリー:あらゆる投資基金と同じように、信頼を得る鍵は、収益性、安全性、すべての投資家の保護、そして地元の開発に重点を置き、独立の専門マネジャーが運営にあたる透明な機構を確立することです。民間金融決定への直接関与(「指示された投資」)は民間のマネジャーに任せるのが最善ということを、各国政府は苦労して学んだ場合が多いのです。MIFが支援する基金はすべて、厳格で適正なガイドラインに基づき、経験豊かな民間グループが運用にあたります。

 IDBAmerica:これらの基金でMIFはどのような役割を果たすのですか。

 テリー:MIFの役割は触媒的なものです。計画の第一期にシード・キャピタルを供給するのが私どもの目標です。適切なガバナンスの機構が整備され、民間セクターと地方政府が努力を続けるお膳立てができていることを確認します。すなわち、MIFは、上手くいけば今後大規模な拡大を期待できる基礎的な投資の足場を築くお手伝いをするのです。

 IDBAmerica:送金は、あらゆる要素を考慮すると、掛け値なしによい影響を及ぼすと思われますが、政府自体がこうした資金流入に依存するようになるリスクはありませんか。そのようなリスクを軽減するため何ができますか。

 テリー:送金はラ米経済諸国にとってかなりの間生活の事実になると思います。送金は地域の多くの家族にとって可処分所得の重要な源泉となっているので、ある意味で、依存はすでに存在しています。MIFの基金は、すでに提供されている資金のほんの一部を長期にわたって地元のコミュニティを向上させる持続可能なプロジェクトに振り向け、それによってそのような依存を緩和することができます。

 

 


 


Copyright,2001(C)